思想・哲学
英語のphilosophyの日本語訳は「哲学、哲学体系、哲理、原理、(経験などによって得た)人生哲学、人生観、処世観、(哲人のような)冷静さ、達観、悟り」など数多くあります。理念は普通、ideaという英語が対応していますが、時にはphilosophyが対応することもあります。「哲学」という言葉は、日本語で「知恵を愛する」という意味を持ちます。これは、中国の古典に由来し、「哲」は「知恵」や「賢い」を意味し、「学」は「学問」や「研究」を意味します。したがって、「哲学」は「知恵を求める学問」として理解されます。英語のphilosophyという言葉は、ギリシャ語の「philo」(愛)と「sophia」(知恵)に由来し、「知恵への愛」を意味します。この用語は、古代ギリシャの哲学者ピタゴラスによって最初に使用されました。「ピタゴラスの定理」で知られる人です。したがって、哲学は知恵と知識の追求として理解されています。日本語はその意味をそのまま借用したのですが、現在では「哲学」といえば、難しいもの、自分とは関係ない世界、のような意味が広がっているのは残念なことです。哲学の歴史は古代に遡ります。紀元前6世紀頃、古代ギリシャで哲学が始まりました。タレス、アナクシマンドロス、アナクシメネスなどの初期の哲学者たちは、自然現象の背後にある原理を探求しました。彼らは、神話的な説明から脱却し、理性的な思考を用いて世界を理解しようとしました。理性的な思考というのは、いつの世も一般人には理解がむずかしいものです。ソクラテス、プラトン、アリストテレスは、古代ギリシャ哲学の黄金時代を築きました。ソクラテスは対話を通じて倫理や知識の本質を探求し、プラトンはイデア論を提唱しました。アリストテレスは、論理学、形而上学、倫理学など多岐にわたる分野で重要な貢献をしました。中世には、哲学はキリスト教神学と密接に結びつきました。アウグスティヌスやトマス・アクィナスなどの哲学者たちは、古代ギリシャ哲学をキリスト教の教義と統合しようとしました。ルネサンス期には、古代の知識が再発見され、哲学は再び独立した学問として発展しました。近代哲学は、デカルト、スピノザ、ライプニッツ、ロック、ヒューム、カントなどの哲学者によって形作られました。彼らは、認識論、形而上学、倫理学などの分野で新しい視点を提供し、現代哲学の基礎を築きました。日本で有名なのは、まず、西田幾多郎で、京都学派の創始者であり、日本の近代哲学を代表する哲学者です。彼の代表作『善の研究』は、純粋経験を通じて真実在を探求するもので、西洋の哲学者にも大きな影響を与えました。昭和では和辻哲郎です。彼は倫理学や文化哲学の分野で知られる哲学者です。彼の著書『風土』では、人間と自然環境の関係を独自の視点から考察しています。「古寺巡礼」は若者の必読書でした。梅原猛は、日本の思想史や仏教哲学に関する研究で知られています。彼の著書『隠された十字架』は、日本の歴史と宗教を新たな視点から解釈したものです。彼らはそれぞれ独自の視点と方法で哲学を探求し、日本の思想界に大きな影響を与えました。他にも大勢いますから、ぜひ勉強してください。
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