おおつごもり
今日から旧暦師走に入ります。師走朔日です。今年の暦は新旧で一カ月ズレています。今日は「おおみそか」で、「みそか」が毎月の支払日であるように、年払いの支払日です。今では考えられない悠長な商売があったのです。払えなくて夜逃げして踏み倒した人もいたようですが、基本的には売り手と買い手の信頼があったわけです。夜逃げして、一時的に逃れても、行った先では信用をえられず、結局、生活できなくなってしまう、という社会的制裁もありました。
「おおみそか」を昔は「おおつごもり」(大晦日)といいました。おおつごもりは、日本の古くからの伝統的な行事で、年の最後の日を迎えるための特別な日です。年の終わりにあたるこの日は特別な意味を持ち、さまざまな習慣や行事が行われてきました。
昔の行事としては、歳神迎えが一般的で、 新年の神様である歳神様(年神様)を迎えるための準備をします。これは、家をきれいに掃除し、神棚や玄関などに松飾りや注連飾りを飾ることから始まります。ただし、こうした準備はこの日にバタバタとすることはよくないとされ、28日には済ませることが、ならわしでした。
大祓(おおはらえ)は:年末の儀式で、1年間の罪や穢れを祓い清めるためのもので、神社で盛んに行われます。これも、おおつごもり、にする必要はなく、年末に行われます。
大晦日に食べる年越し蕎麦は、細く長く健康に過ごせるようにとの願いが込められています。蕎麦の切れやすさから、厄を断ち切るという意味もあるとされています。今では、「ねばり太く切れない」という縁起を担いで、年越しうどんを食べる地域もあり、物は考えようです。
そして大晦日の夜、寺院で108回の鐘をつく「除夜の鐘」が行われます。この108回の鐘は、人間の煩悩(ぼんのう)の数を表しており、煩悩を取り除いて新年を迎えるためのものです。108の煩悩とは、仏教で説かれる人間の持つ108種類の迷いや欲望のことを指します。これらは人々が苦しみや不安を感じる原因とされています。煩悩には具体的な種類があります。六根(ろっこん)から生じる煩悩で、六根とは 目、耳、鼻、舌、体、意の六つの感覚器官から生じる煩悩です。そして六塵(ろくじん)から生じる煩悩は色(視覚的な対象)、声、香、味、触、法(心に浮かぶもの)の六つの感覚対象から生じる煩悩です。現代の表現では「認知」ということになります。そしてさらに、六識(ろくしき)といい、それぞれの感覚器官によって生じる認識から生じる煩悩があります。感覚器官、その器官の感じること、そしてそれを脳が認識すること、という人間が生きていれば誰でも感じる心の中に煩悩がある、という考えです。この18種類の煩悩がさらに具体的な要因や状況によって分類されます。それは貪(とん)欲:財欲(金銭や財産への執着)。色欲(性的欲望)。名誉欲(名声や評価を求める欲望)。瞋恚:怒り、怨み、嫉妬。愚痴:無知(仏教の真理を理解しないこと)。誤解(誤った考えや理解)。執着(不必要なものに対する執着)。これらがさらに「過去」「現在」「未来」の時間に応じて現れるため、108の煩悩になります。鐘の音と共に祓いたいものですね。
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