姫はじめ


姫飯

正月二日の行事といえば、今は「箱根駅伝」と思う関東人が多いです。出身大学が出場する場合はなおさらです。国立競技場のラグビー観戦の人もいると思います。サッカーは元日の天皇杯が諸事情で移動しているようです。無論、初詣に行く人もいると思います。昔の習慣としては、初荷、初売りというのがあり、商売はこの日から、という商習慣がありました。今でもデパートやスーパー、商店街では初売り福袋というのがあり、好景気の時は中身の豪華さがテレビの話題になったりしました。この何年かは実質的な中身に変わってきているのも、景気がよくないからでしょう。
今ではいわなくなりましたが、「姫はじめ」の日でもあります。姫はじめ、については誤解の方が広がってしまったのですが、本来は「女性が仕事を始める日」の意味でした。「男女性交を始めてする日」という俗説が広がりすぎてしまいました。旧暦の新年の行事として、古くから「姫はじめ」とは、旧暦の新年を迎えた時に行われる最初の儀式や行事を指していました。特に宮中において、新年の祝賀や女性の役目を果たすための儀式が行われていました。また、一部の地方では、「姫はじめ」は新年の最初の掃除を意味しました。この行事では、家の中を清め、新しい年を迎えるための準備をするという意味があります。しかし、由来は諸説あってはっきりしておらず、本来は何をする行事であったのかもわかっていないのだそうです。正月に軟らかく炊いた飯(=姫飯〈ひめいい〉)を食べ始める日とも、「飛馬始め」で馬の乗り初めの日とも、「姫糊始め」の意で女が洗濯や洗い張りを始める日ともいわれているそうです。Wikipediaは「最も有力な説は、正月の強飯(こわいい。蒸した固い飯。別名「おこわ」)から、初めて姫飯(ひめいい。柔らかい飯)を食べる日というものである。昔は、祭の間には強飯を食べ、祭が終わると姫飯を食べていた。」としています。諸説も紹介されており、姫飯(ひめいい)始め - 正月に初めて炊く軟らかめの飯という説の他に、飛馬(ひめ)始め - 乗馬初めの日。『梁塵秘抄』の用字であるといい、しかし別に「馬乗始」があるから当たらないとしりぞけられる。火水(ひめ)始め - 火や水を初めて使う日。女伎(ひめ)始め - 衣服を縫い始める日。秘め始め - 夫婦が初めて秘め事をする日。姫糊始め - 女性が洗濯・張物を始める日。日見始め - 『理斉随筆』の説。などがあるそうです。「ひめ」という語の語呂合わせがいろいろできるため、後から俗説がたくさん出てきたようです。強飯(こわめし)が「おこわ」になったのですが、その反対語が姫飯ということを始めて知りました。あまり知られていないので「おひめ」とはいいません。それに強飯は特別な日に食べる特別なご飯であることがあるかもしれません。しかし正月は餅が主体ですから、餅はさらに特別な意味があります。ぼた餅にする飯は、搗き方で「半殺し」「皆殺し」などという表現をするのも、おもしろい習慣です。飯の固さで分けたり、搗いて餅にする過程で分けたり、日本文化と米の関係の深さが知るには良い機会です。今年はぜひ姫飯を食べてみませんか。

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