初巳(はつみ)


コラム挿絵:弁財天様のイラスト

1月12日は初巳です。今年は巳年なので、巳年の初めての巳の日ということで、金銀、財宝に恵まれることをお祈りする日です。蛇を祭神にしている神社がベストですが、かなり少ないので、弁財天つまり弁天様をお祭りしている神社仏閣に参詣されるのがよろしいようです。蛇は弁天様の使いとされているから、ということだそうです。さらに、蛇は脱皮を通じて再生する象徴でもあり、これは繁栄や無限の生命力を象徴することから、弁財天と結び付けられる理由の一つでもあります。初巳は初弁天ということもあります。蛇が弁財天の使いという伝説は、インドのヒンドゥー教に起源があるそうです。弁財天は元々ヒンドゥー教の神であるサラスヴァティー(Saraswati)から由来しており、サラスヴァティーは水と知恵を象徴する女神です。インドの神話では、蛇(ナーガ)は水と大地を守護する存在であり、神聖視されていました。この影響を受けて、弁財天も同様に蛇と結び付けられるようになりました。日本においては、弁財天は琵琶を奏でる女神として崇拝され、水辺に祀られることが多く、蛇はその護り神として捉えられています。このため、蛇が弁財天の使いとして信じられるようになったのです。初巳には、各地の弁財天を祀る寺院や神社で、特別な祭礼が行われます。寺院では護摩供養(ごまくよう)が行われます。護摩とは、火を使って供養を行う仏教の儀式です。寺院では護摩供養が行われ、参拝者は護摩木に願い事を書いて供えます。また初巳の日には、特別なお守りや御札が授与されることが多く、参拝者はこれらを求めて訪れます。特に金運や商売繁盛のお守りが人気です一部の寺院や神社では、参拝者を楽しませるために福引きが行われます。これには、運試しや縁起物を手に入れる楽しみがあります。初巳の日には、寺院や神社の境内や周辺に出店や屋台が立ち並ぶこともあり、人々の楽しみでもありました。正月は初巳、初午、初天神なで、初の縁日がたくさんあります。弁財天だけでなく、日本の神様や仏様の中にはインドのヒンドゥー教や古代中国の道教の神々を起源とする場合はたくさんあります。恵比須(えびす)は商売繁盛や漁業の神。日本の神道に由来します。大黒天(だいこくてん)は富や農業の神。インドのヒンドゥー教のシヴァ神から由来しています。大国天として、日本の大国主(おおくにぬし)と混同する場合もあります。毘沙門天(びしゃもんてん)は戦いや防衛の神。インドの仏教におけるヴァイシュラヴァナ(毘沙門天)から取り入れられました。福禄寿(ふくろくじゅ)は幸福、財産、長寿の神。中国の道教に由来します。寿老人(じゅろうじん)は長寿の神で、中国の道教に由来し、福禄寿と同一視されることがあります。布袋(ほてい)は福や幸せ、笑いの神です。中国の禅僧、布袋和尚(ほていおしょう)から由来し、実在の人物が神格化されました。神社とお寺は厳格に区別されているわけではなく、お寺の中に神社があったり、神社の中にお寺の祠があったりすることは普通であり、いろいろな尊崇の対象がうまく融合しているのが日本文化の特徴でもあります。

2025年1月
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  

コメントを残す