閻魔(えんま)参り
「閻魔参り」という行事をごぞんじですか。仏教において、1月16日と7月16日は特別な日とされ、「閻魔参り」または「閻魔賽日」と呼ばれています。閻魔は、死後の世界において人々の善悪を裁くとされる閻魔大王のことです。この日は、地獄の釜の蓋が開き、亡者たちが一時的に苦しみから解放されると伝えられています。この日に閻魔大王を祀る寺院へお参りする習慣があります。特に、罪や過ちを犯した人々が、自らの行いを懺悔し、閻魔大王に赦しを乞うために訪れることが多いです。閻魔参りは、自己反省と更生の機会を提供する、精神的な免罪の日とも言えるでしょう。また、江戸時代には、奉公人たちに対してこの日を休暇として与える「薮入り」という風習も存在しました。これは、一年の疲れを癒やし、家族や友人と過ごす大切な時間となっていました。閻魔参りは十王信仰と関係があります。十王とは、道教や仏教で、地獄において亡者の審判を行う十尊のことです。恵心僧都源信の『往生要集』に、その詳細が記されているそうです。十王とは1.秦広王(しんこうおう)2.初江王(しょこうおう)3.宋帝王(そうていおう)4.五官王(ごかんおう)5.閻魔王(えんまおう)6.変成王(へんじょうおう)7.泰山王(たいざんおう)8.平等王(びょうどうおう)9.都市王(としおう)10.五道転輪王(ごどうてんりんおう)です。日本ではこれら十王に次の仏が充てられています。1.不動明王2.釈迦如来3.文殊菩薩4.普賢菩薩5.地蔵菩薩6.弥勒菩薩7.薬師如来8.観音菩薩9.勢至菩薩10.阿弥陀如来です。十王信仰とは、人間を初めとする全ての衆生は、よほどの善人やよほどの悪人でない限り、没後に中陰と呼ばれる存在となり、初七日 - 七七日(四十九日)及び百か日、一周忌、三回忌には、順次十王の裁きを受けることとなる、という信仰です。生前に十王を祀れば、死して後の罪を軽減してもらえるという信仰もあり、それを「預修」と呼んでいた。十王は死者の罪の多寡に鑑み、地獄へ送ったり、六道への輪廻を司るなどの職掌を持つため、畏怖の対象となりました。葬儀でも初七日をすることが多いですし、1周忌もすることが多いと思いますが、その根本がこれです。1.初七日((7日目・6日後)2.二七日(ふたなのか)(14日目・13日後)3.三七日(21日目・20日後)4.四七日(28日目・27日後)5.五七日(35日目・34日後)6.六七日(42日目・41日後)7.七七日(49日目・48日後)8.百か日(100日目・99日後)9.一周忌(2年目・1年後)10.三回忌(3年目・2年後)がありますが、その一部だけが一般的になっています。閻魔王は5.で三十五日の裁判官です、そこで三十五日を法事にすることもあります。その時の仏はあの世とこの世の橋渡しの仏である地蔵菩薩です。そして最後の三回忌があの世の仏である阿弥陀如来です。時々誤解があるのですが、亡くなって1年たったのが一周忌で、2年たったのが三回忌なのは亡くなった年を初年と数えるからです。周と回と別表現になっていることに注意してください。日本ではさらに三王が追加され、七回忌、十三回忌、三十三回忌があり、それぞれ王と仏が指定されています。
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