旧暦正月


コラム挿絵:春節を祝い龍舞を舞う人たちのイラスト

今年は新暦1月27日が旧暦の旧正月になります。地方では旧正月の行事が行われることもあります。旧暦1月1日は、通常雨水(2月19日ごろ)の直前の朔日であり、1月21日ごろから2月20日ごろまでを毎年移動します。旧暦で平年だった年は翌年の旧正月は約11日後退し、閏月があれば約18日進みます。日本の旧正月には、おせち料理が中心となります。おせち料理は、色とりどりの料理が重箱に詰められ、一年の幸運や健康を願って食べられます。日本の旧正月の食文化は、過去と現代が交差する魅力的な世界です。おせち料理やお雑煮などの伝統的な食べ物は、新年の祝いとして、幸運や健康を願う意味を持ち、日本の文化と歴史を感じさせるものです。ただ、近年は新暦で正月をすることがほとんどで、小正月である1月15日で正月が終わるため、ほとんど意識されることもなくなってしまいました。しかし、中華圏では今も旧正月が盛んで、春節といわれています。この時期、多くの中国人旅行者が増えるので、近年話題になることがあります。また横浜や神戸の中華街では春節が祝われます。春節は旧暦の1月1日、元旦を意味しますが、旧暦によって日付が決定するため、同じように毎年日付が変わります。中国語の簡体字では、春节(チュンジエ)と表記されます。また春節前日の大晦日には水餃子を食べることが風習となっています。日本の暦とは少し違いがあり、2025年は1月29日(水)が春節です。前日1月28日が大晦日(除夕)となり、1月28日(火)~2月3日(月)まで7連休となる学校や企業が多いのではないかと思います。春節の食べ物として、魚は、余りや豊かを意味する「余」と同じ発音であることから、縁起のよい食べ物とされています。「年年有魚(余)」といわれ、毎年、ゆとりある生活を送れるようにという願いを込めて食べられているようです。前日の大晦日の夕食に、さらに個々の地域独自のしきたりにのっとって魚を食べる習慣があるそうです。そして有名なのが餃子です。日本で普及している焼き餃子ではなく、水餃子です。餃子は、その形が中国の昔の貨幣である「元宝」に似ているため、富をもたらすとされる縁起のよい食べ物です。とくに中国の北方では、大晦日の夜に、家族みんなで餃子を作り、旧正月の始まりである子の刻の午前0時過ぎに餃子を食べて、新年を祝うという習慣があるようで、まさに年越し餃子です。また春巻も代表的な食べ物です。春餅と呼ばれ、中国の旧正月に欠かせない食べ物です。春巻は、「終始一貫」という意味をもつ縁起のよい食べ物とされています。日本では最近、春巻がブームになっているそうですが、旧正月に食べるとよいかもしれません。また、日本では知られていませんが、臘肉(ラーロウ)というのもあります。臘肉とは、塩漬けにして干し、燻製にした肉のことで、数千年という歴史のある食べ物でもあるようです。中国語で「腊」は、旧暦12月の別称で、その時期に干したり、さらに燻製した豚肉を、腊肉と呼んできた歴史があります。「寒仕込み」ですね。ビーフジャーキーのような固いものでなく、骨付きもあり、ベーコンのような感じだそうです。

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