WWWの日


コラム挿絵:wwwの語源のイメージ

1989(平成元)年3月12日、イギリスの計算機科学者とティム・バーナーズ・リーとロバート・カイリューが考案したWorldワールド Wideワイド Webウェブ構想を記載した論文を欧州原子核研究機構CERNに Information Management:A Proposalとして提出しました。これが今日、誰もが利用しているインターネットの始まりです。
Webは「蜘蛛の巣」のことです。Networkは「網状」です。世界中に蜘蛛の巣のように広がる網目、と訳せばわかりやすいでしょうか。彼らの提出された論文には、今日のインターネット上で提供されているハイパーテキストシステム言語HTMLが最主流となっています。
HTMLはHyperText Markup Languageの頭文字をとった頭韻語です。Hyperとは「超える」ということなのです。さらにmarkupは「値上げ」ですから、hypertext  markupは「複数文書を結びつけることで、さらに価値の高いものにする」という意味です。この原義を知っておくと、その機能の価値がよくわかります。このシステムの発明により、文書中に別の文書のURLを埋め込むことで、インターネット上に散在する文書同士が相互に参照可能となったわけです。
URLはUniform Resource Locatorの略語で、Webサイトのページがどこに位置するのかを示す「住所」のようなものです。URLは「http://」や「https://」から始まり、その後にドメイン名(Webサイトの名前)が続く形で構成されています。
HttpはHypertext Transfer Protocolの略語で、HTTPを開発した理由でありかつ現在も広く利用される用途はWorld Wide Webです。WebサーバとWebブラウザはHTTPで主に通信しており、ブラウザからのHTTPメッセージに応答してサーバーがHTMLテキストやJavaScriptコードを送り返し、これをブラウザで表示することでウェブが成立しています。
Transferは「移す」という意味です。Protocolプロトコルはあまりなじみのない英語ですが、「手順や規格」のことです。本来の意味は「儀礼、典礼、条約原案、議定書、協定、(実験・治療の)実施要綱」のことですが、コンピュータ用語としての方が有名になってしまいました。httpは「超文書を移動させる手順」です。httpsのsはsecurityのsです。
もう1つ「住所」みたいな感じのIPアドレスというのがあります。IPはInternet Protocol addressの略語です。IPは、インターネット上の各デバイス(装置)がそれぞれ所有している番号のことです。インターネット上で情報をやり取りするうえで、パソコンやスマートフォン、タブレットなどのデバイスを識別するために使用されています。
ちょっとITに詳しくなるとcookieという用語が登場します。これは符牒なので、一般人は「Webサイトにアクセスすると、Webサーバは自分のコンピュータにHTTP cookieを残すことがある。これは、Webサイトに戻ったときにIDを認証するために使用される」という意味がわかればよい、と思います。語源はtoken(引き換え証)の延長的な言葉遊びです。食べるクッキーと語源的には同一ですが用法は違います。
以上のように、単純に覚えるのも1つの方法ですが、英語の意味を知っておくとわかりやすいかもしれません。

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