春土用の入り


コラム挿絵:食卓に並ぶいわしのイラスト

4月17日は春土用の入りの日です。2025年の春の土用の中日は戌の日で4月23日(水)(壬戌 じんじゅつ、みずのえいぬ)です。4月17日(木)から5月4日(日)の間です。土用の間にある間日(まび、かんじつ)は土用期間中で土公神が天に戻る日とされ、土用期間中(約18日間)は土に関することが禁じられていますが、間日は土いじりをしても良い日とされています。

2025年の春土用の間日は巳・丑・酉の日で4月22日(火)辛酉と4月26日(土)乙丑と5月4日(日)癸酉となります。そもそも土用の日とは、土旺用事(どおうようじ)の略で土用といっています。五行思想に由来する暦の雑節で、意味は土の気が盛んになるとされています。

「土用の日」というと、うなぎを食べる夏の土用が有名ですが立春、立夏、立秋、立冬の前の18日間、年に4回の春、夏、秋、冬と季節ごとにあります。春の土用は戌の日(どようのいぬのひ)、夏の土用は丑の日(どようのうしのひ)、秋の土用は辰の日(どようのたつのひ)、冬の土用は未の日(どようのひつじ)となっています。土用は土の神様の土公神(どくしん・どこうしん)力が活発である日とされ、土公神とは陰陽道で土を司る神様で春は竈(かまど)、夏は門、秋は井戸、冬は庭にいてその季節にその場所の土を動かすとたたりがあるとされています。そのため土用の期間に土に関すること(土を掘り起こす作業や工事、草むしりや庭の手入れなど)は縁起がよくないこととされています。今では、土いじりをしてしまったとしても昔の迷信と気にしない方も多い。土用の期間中はどの方角もよくないとされており旅行や引っ越しなども良くないとされています。

春の土用は、春から夏への季節の変わり目を指します。この時期は体調を崩しやすく、昔から土用の時期には体を養うための特別な食事が勧められてきました。春の土用は戌の日(いぬのひ)で、「い」のつく食べものや白いものがよいとされています。夏土用の日は「う」のつく食べ物で黒いものなので、うなぎが選ばれました。「い」のつく食べ物といえば、いんげん、イワシ、イカ、いくら、いちご、いもなどがあり、白いものといえば、牛乳、かぶ、ご飯などがあります。「い」のつく食べ物には、体を整える効果があると言われています。特に、魚類や野菜は春の時期に不足しがちな栄養素を補います。「い」のつく料理としては、いわしの蒲焼き丼、いくら丼、いかとインゲンのバター醤油炒め、いちごとヨーグルトのデザート、芋の煮物、いなり寿司などがあります。他にもいろいろ応用がききそうです。土用など迷信といってしまえば、それだけのことですが、季節になって、季節のものを食べるのは楽しみでもあり、健康にもよい、ということがわかっています。今でも、夏土用になると鰻を食べるのは迷信を通り越して、商戦になっています。どうせなら、夏土用だけでなく、春、秋、冬にも拡大して、それぞれの土用に合う食べ物の知識を広げることで、良い食習慣が普及すると思われます。クリスマスやハロウイン、バレンタインなど外国の風習にばかり拡げないで、日本古来の伝統的習慣も商戦に用いてはどうなのでしょうか。

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