小寒
1月5日は二十四節気の小寒です。今日から寒の入りなので寒中見舞いを出します。年賀状を出し忘れた所とか、出していないのに来てしまった場合の返事に利用するとよいです。
小寒は旧暦だと12月で冬にあたります。二十四節気は1年を春夏秋冬の4つの季節に分け、さらに季節を6つの節気に分けた季節の移り変わりを表したものです。昔の農業ではこの旧暦に従って農作業をしてきました。つまり実際の気候の変化により近いものだということがわかります。
二十四節気の始まりは立春でこれが節分です。旧暦では新年の始まりが節分です。年賀状では初春とか迎春のような表現を書きますが、これは旧暦の習慣を新暦に持ち込んだ結果で、旧暦による古来の伝統と文明開化という国際化に合わせた新暦の矛盾が表れています。
旧暦は実際の気候の変化に近いのですが、問題は地球の公転にほぼ合っている新暦とではズレが生じることです。新暦でもズレが出ますが、それは2月の閏日を4年に1度設定することでほぼ解消します。しかし旧暦はズレが大きいので閏月を設定することで調整しています。基本的計算としては3年に1度閏月を入れる、つまりその年は1年を13カ月にすることで調整します。その閏月の設定にも規則があって、二十四節気の中気が本来割り当てられた月に含まれない月、というよく訳のわからない規則です。閏日が2月29日と決まっているのに対し、閏月は2月とは決まっていない。たとえば4月に来る場合、4月、閏四月のような表記をします。
これでは一般庶民にはわかりません。そこで毎年暦が売られています。今ではカレンダーは曜日と休日の関係を知るための道具ですが、この習慣は明治5年に天保歴(旧暦)からグレゴリオ暦(新暦)に変わって以来の習慣です。1週間というキリスト教歴はそれ以前の日本にはありませんでした。それまでは神社が発行する暦を買う習慣で、西日本は伊勢神宮の伊勢歴、東日本は三島神社の三島歴が普及していました。暦が東西で異なるので、微妙に違う年もありましたが、それほど大問題ではなかったことから、昔は緩やかに時を過ごしていたことがうかがえます。
旧暦の時代は1か月が30日で、それを10日ごとに区切り、初旬、中旬、下旬としていました。今でも会計が10日締、20日締、月末締を採用しているのはその伝統を繋いでいるといえます。キリスト教国は昔から1週間単位なので週給という制度が当たり前ですが、日本では今でも週給のところはほぼないと思います。暦というのは生活に密着しているので、なかなか変えられないもののようです。日本の天気予報は科学と情緒が入り混じったままで「今日から寒の入りです」といわれると何となくそんな気になってしまいます。
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