里親の日
10月4日は里親の日です。昭和25年に厚生省が制定しました。里親と職親制度の周知徹底を図ることが目的です。里親というのは要するに養父や養母のことです。日本語では養親とはいいません。ちなみに英語ではfoster parentです。里親、里子、養父、養母はすべてfoster child, foster father, etc.のように表現します。欧米では里親と養子縁組に違いはほぼないのですが、日本では違いがあります。養子縁組と里親制度は、ともに保護を必要としている子どもに家庭での養育を提供するための制度ですが、
里親制度は子どもを育てられない親の代わりに一時的に家庭内で子どもを預かって養育する制度で、里親と子どもに法的な親子関係はなく、実親が親権者となります。里親には里親手当てや養育費が自治体から支給されます。一方、養子縁組は民法に基づいて法的な親子関係を成立させる制度であり、養親が子の親権者となります。養子縁組が成立した家庭には原則自治体などからの金銭的な支援はありません。また養子縁組にも2種類あり、普通養子縁組は跡取りなど成人にも広く使われる制度ですが、特別養子縁組は特に保護を必要としている子どもが、実子に近い安定した家庭を得るための制度です。2017年4月に改正児童福祉法が施行され、生みの親が養育できない子どもは養子縁組や里親・ファミリーホームなど家庭と同様の養育環境で、継続的に養育されることが原則となりました。簡単にいえば違いは戸籍の問題です。
職親というのは聞きなれない制度ですが、知的障害者を預かり、更生に必要な指導訓練を行う人のことです。知的障害者福祉法第16条第3号に規定があるそうです。委託された知的障害者は職親の家に同居するか、職親宅に通勤して指導訓練を受けることになっており、職親を希望する者は居住地の市町村長に申し出なければならないとされています。里親制度の中で、義務教育を終了した後の児童を預かり職業指導を行う保護受託者のことを職親ということもありましたが、2005年の法改正で同制度は廃止されたと説明されています。いわば特殊な里親です。
親子関係については、日本は社会関係に援用されており、「親分子分」の関係、「大家と店子」などの例や烏帽子親、名付け親などの習慣もあります。現代でも親会社子会社など主従関係や上下関係に親子の表現が用いられることが多いです。欧米でもこうした言語表現はなくはないのですが少ないです。欧米では生みの親より育ての親の方が実質的になっており、北欧では親が離婚した場合、子供に親を選ぶ権利があり、幼児の場合は裁判所などが決めます。離婚した親が別の人と再婚した場合にも適用されるので、連れ子の中には血縁がない子である場合もよくあります。それゆえ里親制度も普及しており、独身者が里親になることも外国人の養子もできます。
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