師走に平成を振り返る



今年の12月23日は旧暦師走朔日です。師走についてはまた別の日に解説するとして今日は上皇陛下のお誕生日、平成29年までは天皇誕生日でした。平成時代、天皇誕生日は年末でクリスマスの直前でしたから、何となく休日といってもあまりうれしくなかった記憶です。昭和時代は天皇誕生日が五月連休直前で、その間に土日が入ると長期連休になり、楽しみでもありました。それで今も「昭和の日」として休日です。昭和の日になる前は「みどりの日」として休日でした。その理屈でいえば12月23日は「平成の日」にしてもよさそうですが、平日です。上皇誕生日にしては、という意見もあったようですが、12月23日を祝日にした場合、象徴や権威の二重構造を助長することになる、ということなのだそうです。
平成時代は1989年の1月8日から2019年4月30日まででした。1989年1月7日に昭和天皇が崩御され、即日に皇太子明仁殿下が天皇に即位され、翌日の1月8日に元号が平成へと変わりました。2019年の5月1日午前0時に平成天皇は退位(譲位)され、皇太子徳仁殿下が天皇に即位され、元号が変わり令和になりました。
平成時代を振り返ると、人により解釈は異なりますが、おおむね、バブル崩壊、自然災害、ITの発達などを挙げています。世界でもドイツでのベルリンの壁の崩壊、東ヨーロッパでの革命、ソ連の崩壊などがあり、世界勢力地図が変わりました。2001年のアメリカ同時多発テロはイラク戦争やアフガニスタン紛争へと発展し、その影響は今でも続いています。そしてBRICsというブラジル、ロシア、インド、中国などの国が世界に影響を与えるようになりました。とくにリーマンショック以降、中国の影響は強くなりました。リーマンショックとは2007年アメリカのサブプライムローン問題が表面化して起きた世界金融危機です。サブプライムローンとは豊かではない人を対象にした住宅ローンのことでローン返済金を受け取る権利は証券として売られ、投資の対象になっていました。日本にはこういう制度はありません。そして返済できない人が増えたため証券が暴落し、投資をしていた証券会社などの金融機関は大損をしました。日本では住宅ローンを返済できなくなると銀行などの金融機関はその物件を接収して競売にかけるのですが、その価格がローンを下回った場合、その差額はローンとして残ってしまいます。アメリカでは物件を接収した段階でローンの残債も消滅します。従って差額はローン会社の損失になるわけです。そのローンが証券化されているため、証券を買った人がその損失を被るというしくみです。ここで中国がアメリカの債権を大量に引き受けました。ここから中国の経済支配が始まったといえます。日本では自然災害は減災対策ができますが、経済支配への対抗策はまだないようです。

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