小寒と一粒万倍日
1月6日は小寒です。また一粒万倍日です。一粒の籾が万倍にも実る稲穂になるという意味の日です。一粒万倍日は何事を始めるにも良い日とされ、特に仕事始め、開店、種まき、お金を出すことに吉なので鬼宿と重なるとさらに増強されます。反対に借金をしたり人から物を借りたりすることは苦労の種が万倍になるため凶とされています。人に借りを作る、失言をする、他人を攻撃する、浪費などもトラブルが倍増します。
そしてこの日は節切りという二十四節気の切れ目でもあり、小寒の始まりです。
さらにこの日は天赦日(てんしゃにち)とも重なります。一粒万倍日と天赦日が重なるのは年に数回しかないのですが、今年は4回あります。1月6日、 3月21日、 6月5日、 8月4日ですから、カレンダーに書いておいて、宝くじでも買ってください。天赦日とは文字通り「天が万物の罪を赦(ゆる)す日」ということで、反対の日柄がよくない日を不成就日(ふじょうじゅにち)といいます。他にもこうした選日(せんにち)という干支の組み合わせで吉凶を占う日がありますが、また別の機会に。他にも有名な六曜というのもあって、占い師はこうした知識を元に人々にしてはいけないこと、した方がよいことなどを教えていたわけです。昔は暦の中にこうした占いが書かれていて、それを参考にした生活を送っていたわけです。
小寒は二十四節気の1つで、この日だけを指す場合もありますが、本来はこの日から大寒までの期間を指します。小寒は3つの気候に分けられ、初候は芹乃栄(せりすなわちさかう)芹がよく生育する、です。次候は泉動(しみずあたたかをふくむ)地中で凍った泉が動き始める、です。末候 は雉始雊(きじはじめてなく)雄の雉が鳴き始める、です。どれも寒いというイメージよりも、これから春が来る、という感じを与えます。初候に出てくる芹は春の七草の一つです。春の七草とは、せり・なずな・ははこぐさ・はこべ・ほとけのざ・すずな(カブ)・すずしろ(大根)です。1月7日は関東ではお正月の行事が終わる日で、この日までを「松の内」と言い、この7日には健康を願って、春の七草を入れた「七草がゆ」を食べます。関西では15日までが「松の内」だそうです。1月7日や15日には「どんど焼」(地方によって名称は若干違います)で正月飾りを焼いて、歳神様を天にお送りします。ゴミの焼却ではないので、意味を子供たちに教えましょう。小寒の間の11日には鏡開きがあります。鏡餅は歳神様の依り代、三種の神器の一つである「八咫鏡(やたのかがみ)」をかたどったものだそうです。鏡餅の上の乗せるダイダイもやはり三種の神器の一つ「八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)」をかたどっているそうです。鏡餅は刃物で切るのは厳禁で、手で割ったものをお汁粉またはぜんざいにいれます。違いはこし餡とつぶ餡の違いです。
15日は小正月で、地域によっては小豆粥をたべます。以前はこの日が成人の日でしたが、今ではバラバラになってしまいました。以前は、小寒の時期はいろいろな行事があったのですが、最近は期末試験とか、年始の仕事が増えて、忙しくなってしまい、のんびりと行事をしている余裕もなくなってしまいました。
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