白馬節会(あおうまのせちえ)と初満月



人日の節句の日ですが、それについては昨年に書きましたので、今年はほとんど知られていない白馬節会についてです。白馬と書いてアオウマと読むのは恐らくこれだけでしょう。Wikipediaの解説だと「1月7日、天皇が豊楽院(のちに紫宸殿)に出御して邪気を祓うとされる白馬を庭にひき出し、群臣らと宴を催す行事である。白馬節会の由来は、この白馬節会が始まった当初、中国の故事に従い、ほかの馬よりも青み(鴨の羽の色)をおびた黒馬(「アオ」と呼ばれる)が行事で使用されていたが、醍醐天皇の頃になると白馬または葦毛の馬が行事に使用されるようになり、読み方のみそのまま受け継がれたため「白馬(あおうま)」となったとされる。2011年現在では、京都市北区にある上賀茂神社や大阪府大阪市にある住吉大社などの神社で、神事として行われている。」とありました。今年もこの行事はあるようです。江戸時代になって人日の節句が広まり、それに伴って衰退したようです。しかし今でもこの日に白馬を見ると縁起がよいとされていて、正月の縁起物の1つになっています。

真っ黒な毛の馬をアヲと呼ぶのは古来からのようで、ネット上での質問も多いのですが、語源辞典等でも不明のままです。そもそも日本語の青は英語のblueとはかなり意味の範囲が異なります。「青い色。本来は、白と黒の間の広い範囲の色で、主として青・緑・藍(あい)をさす。」(学研全訳古語辞典)とあり、「馬の毛色の名。全体に青みがかった黒色。また、その毛色の馬」「人を表す名詞に付けて未熟である、経験が浅いなどの意を表す。」と説明しています。広辞苑では「古代日本語では、固有の色名としては、アカ・クロ・シロ・アオがあるのみで、それは明・暗・顕・漠を原義とするという。本来は灰色がかった白色をいうらしい」とあり、アヲウマが白馬であることにそれほど大きな矛盾はなさそうです。

色名は言語や文化により基本語とされる語数が異なり、ほとんどの色名は「うぐいす色」のような物に例えたものが圧倒的です。それでもサーモンピンクのように日本人にはピンクと思えない色もそのまま外来語として定着していますから、まして現代人の感覚で古代語を見るのは妥当でないといえそうです。まして利休鼠や海老茶色などは語源を知らないと想像すらできません。アヲウマについては1つの知識として黒馬のこと、と理解しておくのがよさそうです。

地名や人名にある青山にしても、この青は緑色のことですから、ブルーマウンテンと訳すのはどうかと思われます。コーヒー豆のブルーマウンテンの方はジャマイカにあるブルーマウンテン山脈で栽培されている豆のことです。英語のblueは原義がshimmeringきらきらする、という意味からの山の命名のようです。アヲウマが黒馬の中でも艶がよい黒色ということなのは偶然かもしれません。

日本の交通信号で緑ランプを青信号と呼ぶことについては、外国人や子供たちが疑問に思うのも無理ないです。緑が国際的に安全の色、黄色が注意の色、赤が危険の色となっているので、それを採用したのですが、こうした疑問が出るため、地域によっては青緑色または青色の信号もありますが、最近はほぼ緑になってきたようです。外国からの観光客が増えてきて、緑色の方がわかりやすいからかもしれません。

青二才の青は未熟という意味なのですが、これにも諸説あります。日本人は赤ちゃんの時の蒙古斑が青いから、というのが一番納得できるかもしれません。色を何かの象徴とするのはどの文化にもあり、それぞれに違いがあるのも興味深いです。

白馬
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