雨水


春の雨

2月19日は二十四節気の雨水(うすい)です。天文学的には2月18日22:34の一瞬だそうですが、暦の上では2月19日なります。二十四節気は旧暦の行事ですが、太陽太陰暦なので、二十四節気は太陽の運行で決まります。計算は天動説になりますが、太陽黄経が330度の時ということになります。ということは中国と日本では時差がありますから、日が一日違うこともあります。今年は同じ日だそうです。雨水という意味は雪から雨に変わり、雪が溶け始める頃ということです。北と南では違うことは当然ですが、まあ都を中心に考えてください。「陽気地上に発し、雪氷とけて雨水となればなり」ということです。しかし実際は積雪のピークです。これが過ぎると寒さも峠を越えて、だんだん暖かい日がでてきます。いわゆる三寒四温が始まります。南の方では春一番が吹き、鶯の鳴き声が聞こえ始める地域もあります。そういう地域では昔から農耕の準備を始める目安とされてきました。

雨水は次の啓蟄(けいちつ)までの15日間で、啓蟄が過ぎると次の春分となります。雨水は立春から数えて15日目です。難しい計算ではなく365÷24=15.2だからです。15日は朔日か満月までですから、ほぼ同じなわけです。厳密な計算をすれば2月20日が新月で旧暦の閏1月1日なのですが、気候ですから大体でいいのです。昔の生活だと太陽の位置で節気を知り、月の朔望で暦を考えていたわけです。自然に寄り添う生活であれば、今のように1週間単位で生活サイクルを考え、今日は何日、何曜日と考える生活でなくてもいいわけです。時計やカレンダーがなくても、生活していけるスローライフそのものであったわけです。

七十二候としては、次のように記述されています。日本語はすごいですね。

初侯:土の脉潤い起こる(つちのしょううるおいおこる)=陽気が暖かくなり、土の上の雪が解けて水になり、土にしみこんで潤って行く時期です。

次侯:霞始めて靆(かすみはじめてたなびく)春の日差しの中霞がたなびく時期です。

末侯:草木萌え動ずる(そうもくめばえいずる)地面のはしばしにうっすら緑が見え始める時期です。

なお雛飾りを雨水の日にすると良縁に恵まれるといわれてきました。

花としては河津桜や沈丁花(じんちょうげ)、山茱萸(さんしゅゆ)などが咲き始めます。食べ物としては八朔(はっさく)や芥子菜(からしな)が旬を迎えます。

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