冥王星の謎


惑星

1930年2月18日アメリカの天文学者クライド・トンボーは冥王星を発見しました。2006年までは太陽系第9惑星とされていたので、多くの人は今でもそう思っています。しかし冥王星はほかの8つの惑星と性質が大きく違っており、1930年に発見した当時は明確な惑星の定義が定められていなかったため、少なくとも最初の太陽系外縁天体1992 QB1 が発見された1992年以降、冥王星を公式に惑星と呼ぶべきかどうかをめぐり常にさまざまな議論や論争がなされてきました。1990年代後半以降同様の天体がさらに次々と発見され、賛否両論の論争はますます激しくなっていきました。2005年に2003 UB313(エリスと命名された)と呼ばれる外縁天体の発見が公表され、この天体は、冥王星よりやや大きいと推測されました。この天体を惑星と呼ぶかどうかの公式な合意は何もなかったにもかかわらず、発見者とメディアはこれを「第10惑星」と呼び惑星発見という報道もされました。2006年8月14日チェコのプラハで開かれたIAU総会で、惑星の定義を決めるための議論が行われ、当初提出された定義案に従うならば、冥王星が惑星として残るのに加えて冥王星の衛星カロン、小惑星ケレス、2003 UB313(エリス)が惑星とみなされ、惑星は12個となる。しかし、天文学者などから強い反対の声が噴出し、原案は大幅な見直しを余儀なくされます。結局、8月24日に採択された議決において「惑星」「準惑星 」、「太陽系小天体 」の3つのカテゴリが定義されることになり、それまでの9つの惑星のうち冥王星は惑星としての条件の3つ目を満たさないとして、惑星の総数を8つとするとともに冥王星を準惑星に再分類し、太陽系外縁天体内の新しいサブグループの典型例とみなすと決議しました。

さらに、2006年9月7日、小惑星センターは冥王星を正式に小惑星の一覧に加え、小惑星番号134340番を割り振りました。冥王星は惑星ではなくなったのです。

冥王星は太陽系の9つ目の惑星として長い間親しまれてきました。冥王星を発見したトンボーがアメリカ人であったことから、冥王星はアメリカ人が発見した唯一の惑星とされ、発見当初からアメリカ人の誇りでした。ディズニーのキャラクターであるプルートは、冥王星が発見された年に誕生し、冥王星(プルート)から名前が取られたとされています。2006年に冥王星が準惑星に変更されることが決まると、特にアメリカ人からは失望や落胆、不満の声が強く聞かれたそうです。

原子番号92番、93番、94番の元素はウラン、ネプツニウム、プルトニウムと名付けられており、これはそれぞれ天王星(Uranus)、海王星(Neptune)、冥王星( Pluto)から取ったものです。

日本語では惑星を太陽から近い順に「水金地火木土天海冥」と覚えました。英語では「My Very Educated Mother Just Served Us Nine Pizzas」など といいます。惑星名がMercury, Venus, Earth, Mars, Jupiter, Saturnとなっているからです。

またグスターヴ・ホルストによる組曲『惑星』は冥王星発見以前の1914年から1916年にかけて作曲されているので、冥王星は含まれていません。

https://ja.wikipedia.org/wiki/冥王星参照)

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