経済と政治


サプライチェーン

先日テレビを見ていたら、最近のサプライチェーンの危機に際して、企業の経営者が経済と政治は別にしてほしい、というような話をしていました。もう対応策がないとうことのようなので、この経営者は退陣するのがよいと思われます。この方の論理だと、このままでは日本経済が成り立たなくなる、ということですが、その危機感はわかるとしても、新たな枠組みに進化する可能性だってあるわけです。

幕末の頃、西洋の植民地になってしまう、として維新を目指した人々が討幕を推進し明治維新が起きました。結果的に国内は内戦になり、実はそれこそが列強が画策した筋書きで、下手をしたら、内戦の隙に国が乗っ取られる、可能性もありました。こうした内戦を起こして乗っ取るというのは今でも起きていることです。日本の幕末は危ない選択でもあったわけです。明治維新はかなり強引な政治的指導により国を変え、経済構造を変えました。それこそ政治と経済が一体であったわけです。

そもそも政治と分離した経済が存在するというのは幻想ではないでしょうか。この経営者がいう国際的サプライチェーンはすべての国が政治的に安定していることが前提のシステムです。1つの国でも不安定になればチェーンは切れてしまいます。それがチェーンシステムの弱点です。例として電力システムを考えればすぐにわかります。電力では常にバックアップシステムを考え、エリア外からの一時的供給を考えます。現在はエリアが複数あるので、そのバックアップが効きますが、仮に全国統一にすれば1か所の不都合で全国的停電になります。バイパスだけでは完全なリスクヘッジになりません。交通手段が1つしかない状態を考えればわかります。

では全世界の政治的安定が図れるかというとそれは歴史的に不可能なことがわかっています。世界を統一すれば争いがなくなり世界が平和になる、という覇権主義が現実的でないことは明白です。政治体制を統一すれば、国民間の格差が広がり、それが反政府運動のきっかけになります。格差を小さくすることは可能でも、格差を完全になくすことは不可能です。機械で大量生産した製品でさえ、品質に格差ができ、ばらつきを修正するのは不可能です。不良品の選別が不可欠です。まして人間社会は製品とは異なり多様性があることが前提です。そして多様性を認める方向に政治が動いている現代で経済だけ統一的な方向にすることは矛盾しています。経済にも多様性があることを前提とし、個別的な進化を推進できる新たな枠組みが必要です。

一例ですが、自動車をすべてEVにしようという試みは失敗する、と予想できます。

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