財務と会計
3月16日は語呂合わせで財務の日だそうです。普通に読めばサイムなので債務の日となります。この日を設定した人はそういうことを想定していなかったのでしょうか。ともあれ財務は会社経営の基本でもあり、財務諸表を作成することは必須です。しかし実際に自分で財務諸表を作る経営者は案外少なく、税理士にお任せという人が中小企業でも多いと思います。しかし今は安くて優秀な会計ソフトもありますから、自分でやってみるといろいろ会社の実態が把握できます。
会計ソフトが財務諸表を打ち出してくれますが、財務と会計の違い、そして会計と経理の違いが意外に理解されていないのです。元は英米の概念なので、それぞれを英語で表現すると、財務がfinance、会計がaccountingです。実は経理もaccountingです。ついでに帳簿はbookで、簿記はbook keepingです。簿記という日本語はボック・キーピンが訛ったものですが、意味がピッタリの訳語でほとんどの人が日本語だとおもっています。ファイナンスの方は最近、ファイナンス・プランナーという職業が喧伝されるようになって、また金融業者の宣伝もあって、何となく借金のように思っている人もいるかもしれません。ちなみにフィナンシェという洋菓子の語源もファイナンスです。ファイナンスという表現が広がっている割に、理解している人が少ないのも問題です。直訳すればファイナンスは財政です。財務省はMinistry of Finance通称MOFです。つまり財務とは予算のように将来計画の事ですから、ファイナンス・プランというのはやや意味が二重です。
会計は帳簿につけたりして、数字を書き込むことで、収入や支出という過去のできごとの記録です。単純に収入と支出と残額を書くのが単式簿記で、家計簿や普通の会計はこれで間に合います。しかし利益をきちんと計算しようとすると、内容ごとに分類する必要が出てきます。これが仕分けです。仕訳(と書くことが多い)をしながら帳簿をつけるのが複式簿記で、階層化されるため理解がやや難しくなります。本来、仕訳は自由にやってよいのですが、税務署など社外の人に理解できるようにするには一定のルールによって帳簿をつけなくてはならず、これが厄介の原因です。
経理というのは、会計の中で、その日のうちに分類して記入することを一般にいいます。したがって日付が重要になります。商店などでは日ごとの売り上げが大切ですから、経理が必要であり、それを記録(登録)することがregisterでレジはその省略型です。レジは今やバーコードで自動記録されます。それが会計ソフトと連動していれば経理や会計の手間はかなり軽減されます。また誤記も減ります。反面、機械任せになって実態がつかみにくくなります。会計という過去データから財務という将来計画を考えるには、まず根本的システムの理解が必要です。
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