旧暦如月朔日


太陽と月

今年の3月22日は旧暦だと閏2月1日、つまり閏如月朔日になります。閏月というと何か古臭い習慣のように思われがちですが、暦の修正です。今でも2月29日が閏日として4年に一度調整されていますし、閏秒というのもあって、1秒だけ時間調整をするということが2017年1月1日午前9時直前(日本標準時)に行われました。閏秒は1972年から始まったのですが、現代においては、閏秒の調整が、システム上の様々な問題を引き起こしているため、その廃止について議論が続けられ、2022年の国際度量衡総会において、2035年までにUT1世界時 Universal TimeとUTC協定世界時Coordinated Universal Timeの差分の許容値(現在は0.9秒)を増加させることが決議されています。つまり科学がいくら進んでも、時間はもともと人間が勝手に決めたものなので、地球の自転や公転という自然現象との差は埋まらないままでいます。言い方を変えると、時間は人間の生活のためにあるものであり、人間以外の自然は無関係ということです。そもそも科学も宗教も人間が勝手に決めた人工物です。それに自然が従わねばならない理由はないわけです。

閏月は太陽の運行と月の運行の誤差から生じています。太陰暦は月の満ち欠けを基本とし、新月つまり朔日から満月になるのが約15日、新月から次の新月までを1か月として、12か月を一年としています。1日と1年は太陽の運行を基本とした単位です。しかし月の運行、すなわち地球の自転速度は平均朔望月=約29.530 589日で、12か月は約354.3671日となり、太陽暦の1年である約365.2422日と比べると約11日ほど短いので、月の満ち欠けを基本とした太陰暦と実際の季節が大幅にずれてしまいます。11×3 = 33日つまり3年間で1か月分強の差になります。そこで1年を13か月にすることで調整します。それが閏月です。閏月の挿入は二十四節気の節気と中気を基本として、立春は一月の節気、雨水は一月の中気とするなどして、それぞれの月に割り当てていきます。その結果、不思議なことも起こり、年末に立春を迎える(年内立春)といったことにもなります。

太陰太陽暦では閏月のある年のことを閏年といいます。閏月を19年のあいだに7回加えると、ほぼ誤差なく暦を運用できることは古代からの経験則がありました。太陽暦の19年が太陰暦の19年と7か月の日数にほぼ等しいからで、この周期をメトン周期といいます。中国では春秋時代のころにはメトン周期の原理が使われており、日本で最初に使われた太陰太陽暦は中国で元嘉10年(442年)から行われた元嘉暦であったとされています。閏月をどの時期に入れるかについては、同じ時代でも地域によって違い、日本では古来より西日本では伊勢暦、東日本では三島暦が主に用いられ、時として閏月を挿入する時期が異なっていたので、日本国内で日付の異なる暦を使っていた時代がありました。地域による差は緯度による差から生じたと考えられます。

閏月にこうした昔からの経験則や科学について、再考してみるのもよいと思います。

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