カリキュラム・教科書・教師
昔、ある教育の専門家から「教育の基本はカリキュラムと教科書と教師」ということを教わり納得しました。私見ではカリキュラムというのは理念や思想、教科書はその思想の具体化、教師はその思想と内容の伝達手段だと思います。この3つは三位一体でどれも不可欠です。
カリキュラムは英語ではcurriculumと書き、ラテン語源の語です。意味は学習コースという日本での意味の他に、キャリアとか学歴、実績のような意味もあります。あまり知られていませんが、他のラテン語源の語と同じように複数形はcurriculaです。ある授業や科目の内容やその流れを設計することで、何を教えるか、どのように教えるかという思想や理念が反映されます。
教科書はそのカリキュラムに従って、教材として生徒に配布することを前提としています。印刷された本だけでなく副教材なども含めた教材全体を意味しています。また最近は書籍の形だけでなく、ITや通信を利用したコンテンツも含まれます。
教師はカリキュラムを理解し教科書を使って教える人のことです。教科書にはカリキュラムが反映されているので、教科書と教師があれば教育はできます。特殊な場合として、教師がすべてを兼ねて一人で教えることも不可能ではありません。
教育経営という視点から見ると、作成という過程が不可欠で、カリキュラム作成、教科書作成、そして教師養成が必要です。
教育は国などが関与する公教育と国が原則的に関与しない私教育に分けられます。日本の義務教育では、カリキュラムは指導要領、教科書は検定教科書、教師養成は教員免許という、かなり強固な縛りがあります。国により教育制度が異なるのですが、概して欧米では公教育にも宗教が関係することが多く、カリキュラム・教科書・教師にも自由度がかなりあります。
日本の私教育は幅が広く、保育園から予備校など公教育に準ずる機関から、塾、専門学校など多くの教育業があります。公益法人として学校法人の認可があるものから、法人格のない場合もあります。教育業の分類は税法で区別され、公益法人の場合は免税もあり、補助金や助成金の交付という制度もありますが、事業として教育をする場合は課税が原則です。こうした公私の区別が日本ではかなり顕著です。
学校経営という視点からは、財政資源、環境資源、人的資源が必須です。財政資源には基本財産や予算があります。環境資源は学校の立地や不動産です。人的資源は教員組織と管理組織です。近年は学校や教員が通信つまりインターネット上に存在すえnる場合もでてきました。VRの学校ということになりますが、これからの議論です。
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