ガッツポーズ


ガッツポーズ

1974年(昭和49年)4月11日、ボクシングWBC世界ライト級タイトルマッチでガッツ石松がチャンピオンのロドルフォ・ゴンザレスにKO勝利しました。その時、ガッツ石松が両手を挙げて勝利の喜びを表わした姿をスポーツ新聞の記者が「ガッツポーズ」と表現したことで、「ガッツポーズ」という言葉が広まるきっかけになったという説があり、この日をガッツポーズの日としているそうです。このポーズ自体は昔からあり、ガッツポーズという言葉が初めて使用されたのは、1972年11月30日に発行されたボウリング雑誌「週刊ガッツボウル」がストライクを取った時のポーズを「ガッツポーズ」と命名した時というそうです(wikipediaより)

今でも、勝利の瞬間、このポーズ以外に、片手でこぶしを握るポーズはいろいろなスポーツや場面で見かけます。どうやらこのポーズは人類普遍の行動のようですが、なぜこのポーズなのでしょうか。そして何かを叫びます。その叫び声は国ごとにバラバラで日本語だと「やったー」となることが多いようです。このポーズの行動を解析すると「動作と言語表現が同期している」ことがわかります。このポーズのみならず、ジェスチャーと言語表現が同期することはアダム・ケンドンという学者が指摘していて、世界共通の現象です。日本だと、「ありがとう」「おはようございます」(頭を下げる)、「さようなら」(手を振る)、などは自然に行われます。この時、言語表現と動作を別々にすることはできません。他にも「それ」(指先で示す)、「なんだって!」(机を叩く)、「この野郎」(顔を殴る)など指示的な内容や感情的な内容の行動でも言語表現と動作は同期します。これも言語表現は違っても、動作はほぼ同じで必ず同期することは変わりません。このことから、言語とジェスチャーには深い関係があり、人類共通ということもあって、人間の進化のかなり早い時期からジェスチャーがあったという学説も多くあります。言語より先にジェスチャーがあったという人もいます。

ガッツは英語のgutsから来ています。もとは腸(はらわた)という意味で、日本語の根性、土性骨(どしょっぽね)と同じ意味もあります。ラケットのガットは昔、動物の腸から作っていたからです。ガッツ石松の石松は森の石松からきたそうで、ガッツは「ガッツのある奴」ということからくるリングネームだそうです。ガッツ石松がしたからガッツポーズという説は新聞・週刊誌などによる民間語源で、あのポーズ自体は昔からある勝利のポーズですから、それまでジャーナリズムが気が付かなかっただけといえそうです。英語ではfist pump(こぶしのポンプ上げ)といいます。片手だけが普通で、日本だと「ガンバロウ」となっています。昔なら「エイエイオー」と戦場に向かう掛け声と混じったと考えられます。ポーズの意味も変化するのです。

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