電気自動車
1917年(大正6年)に株式会社ジーエス・ユアサ コーポレーションの前身である日本電池株式会社の創業者のひとりである二代目島津源蔵が、アメリカから電気自動車「デトロイト号」を輸入したそうです。電気自動車はすでに100年以上前にあったわけです。輸入したのがバッテリーの製造会社というのもおもしろい事実です。その「デトロイト号」を約90年ぶりに復活させた2009年5月20日を記念して、5月20日を電気自動車の日としているそうです。この初代島津源蔵は株式会社島津製作所の創業者であり、没後に息子の梅次郎が後継者となり、2代目源蔵となったのだそうです。歌舞伎役者だけでなく、老舗では名前を継承することも多く、それが襲名という習慣でした。今でも酒屋などでは襲名が行われています。この襲名というシステムは欧米にもあり、Jr.をつけて二代目をその後は三世、四世とつないでいきます。王家では今でもその制度を残しています。二代目島津源蔵の時、島津製作所の蓄電池工場が独立することになり、日本電池が設立されたのだそうです。イニシアルをとってGSを社名にしたとか。ブリジストン(石橋)やサントリー(鳥井)など創業者の名前を変化させた社名もたくさんありました。島津製作所は今でも新製品を生み出す社風が残っているようで、ノーベル賞受賞の社員を生み出している稀有な会社です。
電気自動車は今、EVと名前を変えて盛んに宣伝しています。近年、原油の高騰や地球温暖化に対する意識の高まりにより、二酸化炭素や排気ガスを出さないという環境に配慮した特徴があるとしてヨーロッパではEVに傾倒していました。電気自動車やハイブリッド自動車などの環境への負荷が少ない「低公害車」は、通称「エコカー」(eco car)と呼ばれ、エコカー減税などの優遇措置が取られています。その背景には欧州車がトヨタとの競争に敗れて、規制をかけたともいわれています。そしてロシア・ウクライナ戦争の影響で天然ガス供給が足りなくなり発電ができなくなって、電力不足になった途端、ガソリン車排除の流れが先延ばしになりました。
スポーツの世界でもヨーロッパ勢が勝てないようになると規則変更することはよく知られています。G7を始め、欧州は今でも世界を支配しているという意識が強いままです。日本はG7にいることで、何となく先進国のつもりでいますが、欧州は歴史的にアンチロシアですから、日本もそれに巻き込まれてしまいます。
中国は今EV生産に熱心で、やがて世界に輸出してくることが予想されます。その時、欧州はどうするでしょうか。根拠としてきた二酸化炭素による地球温暖化という論理をどう変えてくるのか興味深いところです。
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