語呂合わせの記念日


ポンコツ

このコラムでも語呂合わせの記念日をたくさんご紹介してきました。それで6月3日の語呂合わせでムとミなので、ムーミンの日があるかと思って調べたら、ムーミンの日は8月9日で、作者のトーベヤンソンの誕生日に決まったのだそうです。ムーミンの日を決めるにあたって、いろいろな議論があったみたいです。無論、語呂合わせ説もありました。鉄腕アトムのように原作に誕生日が書いてあればよかったのですが、あいにく誕生日に関する記述がなかったそうです。

誕生日を記念日にする例はたくさんあるのですが、ネットを検索していたら、6月3日を「ポンコツの日」にした人がいました。(https://zatsuneta.com/archives/10603a2.html)普通は後の人が誕生日を記念日にするものですが、自らの誕生日を記念日にするあたり、相当ポンコツな人のようです。ポンコツという表現は蔑む表現なのですが、「仕事も出来るがあまりにも多い誤字脱字などでポンコツプロデューサーとして「P青木」とも称されている。その愛されるポンコツぶりを記念すべく自らの誕生日に開催する音楽イベント「P青木ひとり生誕祭」を多くの人に楽しんでもらうことが目的。」だそうです。ポンコツの本来の意味は「古くて役に立たないもの」で、そこから転じて「役に立たない人」という意味になったそうです。語源は「廃棄になった自動車を解体するときの音から」(https://gimon-sukkiri.jp/ponkotsu/)というのがありますが、「古くは拳骨(げんこつ)で殴ることを意味する言葉である。」という説(上記)もあり、「「拳骨」を聞き間違えたという説や、「ポンポンコツンコツン」と叩く音に由来する説などがある。」そうです「1959年(昭和34年)に連載を開始した阿川弘之(1920~2015年)の新聞小説『ぽんこつ』により一般に広まったとされる。」ということなのですが、廃棄自動車の解体はそんな昔からあったのか疑問が残ります。自動車の普及はいつから、というのを調べると、軍や上流階級が利用し始めたのは明治ですが、一般庶民が利用するようになったのは戦後でしょう。日本経済おいて自動車産業が大きな位置を占めるようになったのは1950年以降のいわゆる「モータリゼーション」以降です。トヨタのクラウンやニッサンのダットサン、またダイハツ・ミゼットやスバル360のような軽自動車も増え、国民の多くが自動車を所有するようになりました。当然、自動車の製造会社や販売会社の他に整備工場も増え、街中に自動車の音が聞こえるようになったのも当時です。解体の音がポンコツであったのかは定かではないのですが、古くて使えなくなった物をポンコツと呼ぶようになったのも当時だった記憶です。

今ではポンコツは物が中心なのか、人が中心なのか、判断に迷います。ちなみに完全に使えなくなった物はオシャカといいますが、罰当たりのような気がいつもします。こちらの語源は阿弥陀仏の像を作るつもりだったのが手違いで釈迦像を作ってしまい、そんなところから作り損ねた不良品や使えなくなったものを指して「お釈迦になった」という表現になったという由来だそうです。阿弥陀像でも釈迦像でもありがたいものなので、役に立たないということはないと思います。

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