UFOの日


UFO

Unidentified Flying ObjectつまりUFOの日は6月24日だそうです。日本ではユーフォーと呼ぶのが一般的ですが、アメリカでは他の三文字省略語同様にユーエフオーと読むことが多いです。これはたぶんテレビ番組の影響です。USAはユーサとは呼びません。変な英語読みの元凶はテレビ番組であることが多いです。それだけ影響力が強いといえます。UFOの直訳は未確認飛行物体です。確認するidentifyという英語は誤解が多いです。英和辞書には識別する、見分ける、鑑定する、証明する、身元を明らかにする、同一視する、など多くの意味が載っています。このidentifyの名詞形がidentificationとidentityです。前者は身分証明書、後者は同一性と訳されることが多いです。

略語のIDは身分証明書の意味で、外国生活では必需品です。クレジットカード使用の際にはよくTwo IDs.といわれることがあり、今、日本でも本人認証が二重になっていることが増えているのはその影響です。言い換えると1つでは信用できない、偽物が多い、ということでもあります。二重チェックは欧米ではほぼ常識ですが、日本はまだそこまでには至っていません。私見ですが、マイナンバーにすべて紐づけすると二重チェックができなくなるので、リスクは増えます。

UFOの例でもわかるように、未確認なので、正体不明ということでしかないのですが、いつのまにか日本では宇宙人の乗り物というイメージが広がっています。これもテレビの影響でしょう。

また近年はアイデンティティという用語が十分に咀嚼されないまま、世間に広めようという流れもあります。自己同一性というのは心理学用語で、「自分が何者であるかを認識する」ということです。これは最近話題の性自認だけでなく、人種や障害者に対しても当てはまります。たとえば聴覚障害者の場合、高齢化して耳が遠くなったと感じても、聴覚障害者を自認することはまずありません。日本では難聴者や片耳が聞こえない場合、アイデンティティの問題に悩みます。実際、いわゆる聾者と難聴者の区別はなかなかむずかしく、また失聴時期によっても自認の度合いが異なります。アメリカではDeafとは「手話の使用、ろう社会のメンバー、ろう文化の共有」という定義をしています。それ以外の聴覚障碍者をdeafという小文字表現にして区別しています。この三要素を不可分の一体として共有している人をDeafとしているので排他的exclusiveな定義法です。こうした定義によるidentityを有する人をminorityとし、そうしたminorityをすべて受容することがinclusionということになります。この思想だと、最初に排除された人は行き場がなくなります。聴覚障害者の場合だと難聴者、中途失聴者、高齢失聴者、片耳失聴者が該当します。今回話題のgender identityも両性具有、無性asexualityが排除されやすいので要注意です。似たような例では人種に拘るあまり、混血が無視され、多言語話者が排除されたり、特定の宗教に拘るあまり日本のような多様な宗教が混ざっている場合は排除されやすいです。要点は最初の定義段階で排他的定義をしないことです。一旦分けておいて後でまとめるという手法が陥りやすい欠点といえます。自認というのは内心なので、必ず揺れが起こります。その時にどうするかですね。

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