情報の臨界点


言語習得

物理の世界では臨界点critical pointといい、たとえばいわゆる「三態」と呼ばれる個体、液体、気体にわかれる温度や圧力の限界点があります。臨界点は物質ごとに決まっており、たとえば水は0で氷になり、100℃で水蒸気になる、というようなことです。臨界という概念は他にもあり、原子物理学では臨界状態critical stateという原子炉で原子核分裂の連鎖反応が一定の割合で継続していることをいいます。

言語習得の世界では、臨界期critical periodと呼んでいる時期があり、私たちの脳は7歳までであれば、母語以外の言語でもスムーズに習得できることがわかっています。 そして7歳になるずっと前の段階で、脳は「聞く音と聞かない音」を区別するようになります。成長するにしたがい、母語に含まれない音は脳がブロックするようになり、思春期を過ぎて以降、新たな言語を学ぶときに苦労するのはそのためです。しかし語彙習得や文法の習得については、諸説があります。言語習得の臨界期については、音声言語と手話では異なることが知られており、この問題が人間の言語の起源についての議論のテーマの1つになっています。

三態や臨界状態などの物理現象については、数学モデルもあり、解明が進んでいますが、なぜそうなるのか、についてはまだ解明の余地がありそうです。言語習得の臨界というのは成長と発達という時間的経過との関連が深く、これも物理量で予想できるしくみです。

情報について、現在はほとんどビット数という物理量で量を測定し、処理しています。いわゆるkb, Mb, Gbといった単位も普及してきました。しかし情報量は単に物理量では測れない、質的な側面が重要です。いわゆる情報の意味量ですが、まだ定説はなく、測定方法も単位も決まっていません。たとえば12345という数字は数字としてのビット数は側的できますが、これを画像にした場合、内容(意味)は同じでも、量的な情報量は大きくことなります。数字を認識する側(受信側)にとっての意味は同じでも、伝達する媒体と伝達方法によって物理量が大きく異なってくるわけです。この問題を情報科学ではどう考えているのでしょうか。現在、AIの世界では言語分析が盛んで、botと呼ばれるアプリケーションも開発が真っ盛りですが、意味分析は途上です。

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