日本語のリズム(七五調)
呼吸が言語のリズムを作っていることは日常的に感じます。歌を歌う時、息継ぎが大切で、息継ぎを前提として音楽の小節が作られています。普段、音楽の譜面を見ることのない人はあまり考えたこともないでしょうし、音楽をやっている人も小節の区切りに縦線が入っていることは気にしていないと思います。この小節という単位はリズムの単位です。たとえば4分の4拍子の場合、1小節に4分音符4つが入るという意味です。同じ1小節に8分音符が8つ入れば、同じ長さですが、8分の8というリズムになる、というのが超単純化した説明です。楽器や声で音符の長さの音を出していくのですが、音を出す代わりにお休みするのが休符です。このように音楽は音符と休符が一定の長さの中に配置されていきます。この1小節の長さがテンポということになります。緩いテンポの曲では、1小節の長さを長くとります。
歌の場合、息を吸うのは、小節の区切りか休符の時です。テンポの速い曲の場合は1息で長く続けることができますが、テンポの遅い曲の場合は小節の区切りより短く息を吸わないと歌えない場合もあります。
日本の歌で言語と歌の関係がよくわかるのが「もしもしカメよ」という歌です。試しにゆっくり歌いながら、どこで息を吸っているかを感じてみてください。普通のテンポで歌えば、「もしもし」で一旦区切るかもしれませんし、区切らず連続するかもしれません。これは4分音符に2つの音に配分されていて、2拍でここまで歌うからです。次の「カメ」までは同じパターンですが、「よ」は「よ/」のように、「よ」の後で息継ぎをすると思います。これを音楽的な表現をすると、4分の4拍子で4分音符に2音、最後は8分休符という配置になっています。これが日本語の七五調の基本形です。7音プラス1休符で8音という構成です。
では五はどうなっているかというと、「かめさんよ」を考えてみます。5音で4分音符2個半しかありませんが、まず「よ」を「よー」のように伸ばして4分音符3個分にし、それに4分休符を連続させて4分音符4個分の長さにします。このパターンが七五調の五の部分です。
この原理がわかると、日本の童謡や演歌などが七五調であることがわかります。
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