日本語の音韻と英語の音韻の対応
日本語の母音が英語の母音にどう対応しているか、という話は本当に面倒です。専門家でもないかぎり不要な知識と思います。よくいう「ネイティブ並みの発音」ができるためには、まず英語の母音と子音が発音できるような訓練が要ります。これにはある程度の才能と努力が要るので、向き不向きがあります。普通はそれこそ「浴びるように」英語を聞いて、「幼児が言語学習するように」自然に音韻ができるまで訓練します。その訓練の結果、英語として「ネイティブ並み」に発音と聞き取りができるようになれば、元々、読み書きはできるので、後は書き言葉と話し言葉の連結ということになります。日本人の場合、この連結作業はそれほど大変ではないです。その結果として英語の文字を読んだ時、英語の「原音」と日本英語の音の2つが浮かぶようになります。いわゆるバイリンガル、二言語話者の状態になるわけです。本物のバイリンガルは長い生活の中で自然に使い分けられるようになるのですが、同じバイリンガルでも子供の頃に得たものは「成人の英語」には通用しませんから、世間が思う「二言語が自由に操れる人」はかなり少ないのが実情です。バイリンガルのほとんどはどちらかの言語に偏る「優位性」があります。それでも外国語学習者よりは習得内容が大きいことは確かです。
英語教師はバイリンガルが理想的ですが、そもそも数が少ない上に、教員養成課程でバイリンガルを作り出すのは容易ではありません。まして全国の小学校・中学校・高等学校に配置することは不可能です。結果的に「日本英語しかできない」先生ばかりなので、生徒も日本英語になる、というしくみになっています。否定的に考えるとそうなりますが、そもそも英語のネイティブといっても、英語そのものに種類が多く、日本がベースにしているアメリカ英語の他に、イギリス英語、オーストラリア英語など世界には英語を母語としている国がたくさんあり、シンガポールやインドのように公用語としている国も多くありますから、どれを対象とするのか問題です。逆の発想をすれば、日本に日本英語が何千万人もいるのですから、それらの英語の仲間に入れてもらうという発想もあってよいのかもしれません。アメリカ英語に合わせることがグローバルスタンダードというのはアメリカの考えですから。
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