日本語の音韻のアルファベット表記 3
英語教育のおかげで、yi,ye,wi,weも発音するようになりました。英語のyet, we, wentなどは割と簡単ですが、yieldは多少難しいかもしれません。しかしヤ行のyiをイメージすると少し楽にできるようになるかもしれません。カタカナで書くとイィです。ワ行のwi,weはウィ、ウェのように表記しているので簡単なのかもしれません。
さてshですが、sha,shu,she,shoのようにshiがないのはサ行にシがあるからです。それでもシとの関連があるため、シャ、シュ、シェ、ショになっています。全く同じ理由で、cha,chu,che,choができています。チはタ行にあります。そしてチャ、チュ、チェ、チョとなっています。シとチがイ段にあるのは偶然ではなく、拗音はイ段と関係をもっています。キャ、ニャ、ヒャ、ミャ、リャなどイ段にしかありません。ヘボン式ローマ字ではkya,nya,hya,mya,ryaとyを子音字と母音字の間に挟むことで表記しています。そこで文字表記に規則性を与えようと改革した方法ではshaをsya、chaをtyaと表すようになっています。
濁音ではk-g, s-z, t-d,h-bのようにするのですが、他の行になぜ濁音がないかというと、有声音と無声音ということを知る必要があります。声帯を使う子音かどうかという分類です。ア行、ナ行、マ行、ヤ行、ラ行、ワ行はすべて有声音なので濁音がありません。
問題はハ行です。パ行という「半濁音」があり変則的です。ローマ字ではpa,pi,pu,pe,poのようにpで表記しますが、pは無声子音です。そしてpの濁音がbなのです。ハ行のhは無声子音ですが、有声化できません。つまりh-bではなくp-bなのです。日本語のp音は歴史的に変則的な変化をしていますので、興味のある方はぜひ調べてみてください。ここにハがワを発音するようになった歴史的変化の謎があります。
英語のshは無声子音なので有声化するとjになりますから、ジャ行はja,ji,ju,je,joとなり、そのうちシと同様に、ジはザ行に行きました。英語のchも無声子音ですが、英語には対応する有声子音がありません。そこでt-dの対応でジャ行と混じり合い、tsuはヅなのですが、ズと同じ音に変化しているため、ザ行のzuを利用して、da-ji-zu-de-doという濁音行になりました。このように不規則性と規則性が混じったシステムです。
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