争族予防の日
11月15日は七五三です。あちこちの神社で可愛い姿が見られます。この子供たちが無事成長して大人になり、それぞれ独立して家計を営むようになると、親はようやくほっとするのですが、それもつかの間、年老いた親は体力も弱り、病気になったりして、介護の問題が出てきます。その時、兄弟の誰が面倒を見るのか、兄弟間で揉めます。その時、必ず親の資産の継承つまり相続の問題がでてきます。最近は一人っ子が増えてきましたが、それはそれで一人で介護の問題を抱えて、仕事との両立問題や、夫や嫁の親族との関係も問題になってきます。兄弟間や親戚との間で、相続が揉めるため、こういう場合を争族と呼ぶ新語があります。
七五三というおめでたいこの日に、将来にわたって仲のよい子どもたちであってほしいとの願いを込めて、遺産を巡って家族で争う「争族」になってしまう事例がよく見受けられるので、家族間の争いを未然に防ぐという意味の「予防争族(相続)」のことを考えてもらうことが目的として「予防争族を考える日」が税理士法人によって提唱されました。なぜ税理士法人かというと、2015年(平成27年)1月に税法が改正され、相続税のシステムが大幅に変わり、注目されるようになったからです。相続とは兄弟や親族との争いだけでなく、税金の問題でもあり、言い方を変えると、争族争いに加え、政府までが絡んできて、ややこしいことになってきています。
また近年の空き家問題も相続が絡んでいます。身寄りのない独居老人が亡くなると、相続人がいなくなり、空き家になってしまいます。自治体などが処理するには、相続権のある人をすべて探し出し、相続放棄の同意をとる必要があります。
相続といえば、資産を分けてもらえる、と考えがちですが、実は資産だけでなく、負債も相続しなければなりません。資産の額よりも負債の額の方が大きければ、負債だけを相続するということになりますから、相続を放棄することで、負債から逃れることができるわけです。資産と負債がどのくらいあるのかは、親が亡くなってから、初めてわかるということもよくあります。七五三の時は子供の成長を願うのですから、その子の将来と自分たちの死後のことも考える、という長期的な展望も、高齢化社会と少子化の時代には考えるべき事柄になりました。昔は兄弟も多く、長子相続が当たり前で、遺産分割は「田分け」と言われた時代です。世の中は変わりました。
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