現地留学の効果
語学のために留学するのは効果があるといわれています。言語習得に必要な時間が3万時間だとすると、現地にいけば、1日16時間は現地語に接します。しかし現実にはしばらくすると夢にまで現地語が出てきます。実際は20時間は接しているといえます。それを単純計算すると、3万÷20=1,500日つまり50カ月、50÷12=4余り2です。つまり4年間、現地で日本語抜きで生活すれば、母語並みに操れるようになる、という原理です。1万5千時間なら半分の2年程度でなんとかなりそうです。
この計算はあくまでも、仮定の話です。人間の学習能力と環境に慣れる力は強いので、もっと加速度的に習得していきます。多くの人の経験では、留学後半年くらいすると、何とか現地の人の話すことがわかるようになるといいます。状況という条件があるので、同じ条件が繰り返されると早く習得するようになります。
しかしいくら現地にいても、現地の言語に接する時間が少ないと、当然習得レベルは低くなります。現地に溶け込まず、日本人同士で遊んでばかりいれば、なかなか習得できません。言語留学した人を見ると、そういう「遊学」の人が多いというか、大半かもしれません。何か目的があって、そのために留学した人は自然にその目的の環境に浸るようになり、状況も限定されるため、その領域の言語を獲得するのも早いです。しかし語学留学という目的で、現地の学校に入っただけでは、なかなか上達しません。学校以外で言語に接する機会が少ないのと、言語状況も学校の中と買い物程度なので一般の言語習得はなかなかむずかしいです。言い方を変えると語学留学はほとんど意味がないといえます。目的はなんであっても、はっきりした目的が必要です。芸術でも料理でも学問でもよいので、きちんとした目的をもち、それが叶えられる環境の所に行くことが重要です。
言語習得は確かに才能や学習能力が影響しますが、むしろ環境が重要で、それは一定の時間が必要ということであり、ある意味、誰にも公平なものです。集中することである程度の時間短縮は可能ですが、それでも一定の量は不可欠です。留学中の時間効率をよくするのは、留学前にある程度の語彙や文法の知識、専門知識があることです。その意味では日本英語でも単語や文法を知っていることは有効でです。
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