表札の文化


表札

街を歩くとどの家にも表札が出ています。しかし海外ではまず見かけません。会社や施設に看板はありますが、個人の家で名前が表札になっていることはなく、家番号や住所が示されているだけです。郵便や配達はそれでできますから、名前は個人情報なとして秘匿されているのかもしれません。日本では苗字だけでなく、家族の名前も全部書いてある場合や、2世帯住宅では苗字が2つ書いてある家も珍しくないです。

日本でも昔から表札があったわけではなく、普及しだしたのは関東大震災以降の様です。昔は武士でない庶民は苗字がなかったわけですから、苗字を名乗るようになったことと関係しているかもしれません。本格的な表札の普及は大正12(1923)年の関東大震災だといわれています。被災した人たちは家を建て直したり、その場から離れて移り住んだりと、それまで人々の頭の中に刻み込まれていた街の様相がすっかり変わってしまいました。そこで家ごとに「この家には私たちが住んでますよ!」と表すために名前を掲げる人が多くなったそうです。明治時代から郵便制度が始まり、配達人が、その家に住む人の名前を把握できるようにと、住所だけでなく、家族全員の名前を記したいわゆる「家族表札」という形態の表札が普及していった経緯もあるようです。(http://natsumedia.sonnaanatani.com/plate-sign/

タイですが、表札=ネームプレートだとすると結構見ますよ。面白いのはタイの場合、称号を持つ人はネームプレートに称号もついています。だからこの家はお医者さんだ、この家は海軍大佐だ、この家は貴族だというのが表札だけで分かります(http://oshiete.goo.ne.jp/qa/5943778.html)ということですが、江戸時代、庶民は苗字の代わりに「大工の八五郎」のように職業を表していました。そこで入り口に職業が書いてあったり、看板を出したりしていましたから、発想は同じかもしれません。

自分の家の表札を確認してみてください。表札に、丸や三角、意味不明の文字が書かれている時があります。これが書かれていたら要注意です。泥棒や押し売りのセールスマンがマーキングしているのです。(http://netgeek.biz/archives/37551)怖い世の中ですね。日本の住所表示は同一地番に何軒も建っていることがあり、家番号という制度ではないので、配達が増えた現在、制度改正の必要がありそうです。

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