ロカビリー


ロカビリー

1958年(昭和33年)2月8日東宝が東京・有楽町の日本劇場で第1回日劇ウェスタンカーニバルを開催したことを記念して、この日がロカビリーの日となっています。初日だけで9,500人、1週間で45,000人となり、ドーム球場や日本武道館となどの大きなハコモノが存在しない当時としては異例の記録でした。もっともロカビリーといってももう知らない人の方が多いかもしれません。ロカビリー(rockabilly)とは1950年代のアメリカ南部において誕生した音楽で、当初はロッカビリー(Rock-A-Billy)と呼ばれていました。ロカビリーは、「ロック」と「ヒルビリー」の合成語です。有名になったのはエルヴィス・プレスリー(Elvis Presley、1935~1977)で、日本でも1950年代にロカビリーブームとなりました。

ロカビリーはロックンロール音楽の最も初期のスタイルの1つでブルースやR&B、カントリー・ミュージックのブレンドといえます。ヒルビリーはカントリーミュージックと呼ばれる以前のジャンルです。類似の分野としてブルース、ウエスタン・スウィング、カントリー、ブルーグラス、ブギウギなどがあります。日本でもロカビリーが流行る前にはブルースやブギウギが流行ったのは今のNHK朝ドラで紹介されています。また今、流行の先端といわれるアメリカのニューヨークではカントリーとかヒルビリー、ブルーグラス、ホンキートンクなどが流行り始めているそうで、日本でも昭和歌謡が流行っているのと時を同じくして、世界的に復古調なのでしょう。

ロカビリーサウンドの特徴はウッドベースのスラップ奏法とドラムスによるリズム、そしてシャウトするボーカルといえます。スラップ奏法とは弦を指で引っ張りつつ、低音とネックに当たる中高音をミックスさせた音を出し、手の平で弦をネックに叩きつけてパーカッションのような効果を出す奏法で、エレキベースが中心になった現代でもよく使われています。ロカビリーは60年代半ばから70年代前半には衰退しましたが、ノスタルジー・ブームの後押しもあり、1970年代後半から1980年代初頭にかけてネオロカとして復活しました。白人ミュージシャンによるロックンロールの中で、特にカントリー・アンド・ウェスタンの要素が強くビートを強調したものをロカビリーと呼んでいます。

日本で、1956年にいち早くプレスリーをカバーしたのは、カントリー歌手の小坂一也でした。そしてカントリーのバンド「オールスターズ・ワゴン」に在籍していた平尾昌晃がソロ・デビューし、ミッキー・カーチス、山下敬二郎と共に「ロカビリー三人男」と称され日劇ウエスタンカーニバルなどに出演、日本でロカビリーブームが巻き起こりました。やがて和製プレスリーと呼ばれた尾藤イサオ、佐々木功(ささきいさお)、鹿内孝、鈴木ヤスシ、藤木孝、麻生レミ、スイングウエスト、内田裕也、かまやつひろしらも、ロカビリー、ロックンロール歌手としてデビューしました。何人かは俳優や作曲家になり、歌手を続けた人もいます。

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