睦月満月の小正月
2月24日は旧暦睦月十五日、初満月です。そして小正月です。昔は初の満月の日に小正月祝いをしていたのです。無病息災や家内安全などの祈願をします。小正月は別名を女正月(おんなしょうがつ・めしょうがつ)ともいいます。昔は元旦を男の正月としていたので、小正月を女の正月と呼ぶようになりました。女正月は年末年始にゆっくりと休めなかった女性たちが、ゆっくりと休養したり遊んだりする日でもあります。今では新暦の正月に飾ることもありますが、餅花は本来は小正月の時期になると、さまざまな地域で見られる飾りです。柳の枝や枯れ枝に紅白の餅を小さくちぎって付け、作物の実りに見立てて五穀豊穣を祈ります。花でなく、蚕(かいこ)の作る繭(まゆ)に見立てて、飾り物を作る地域もあります。繭玉飾りは餅花の一種であり、豊作を祈る意味も同じですが、養蚕農家では、多くの蚕が無事に成長してくれなければ収入を得られません。小正月の時期になると「今年もたくさんの繭が取れるように」と、願いを込めて神に祈ります。またどんど焼きをする地域もあります。どんど焼きは1月14日の夜や15日に、地域の広場・学校・神社などでお焚きあげをする行事です。地域ごとにさまざまな呼び方があり、「左義長(さぎちょう)」「道祖神祭り」とも呼ばれます。新年の幸福をもたらすためにやって来ていた歳神様は、どんど焼きの煙に乗って山へ帰っていくとされ、重要な意味を持つ行事です。どんど焼きではしめ縄や正月飾り、古くなったお札・破魔矢・お守りなどを燃やしたり、火にあたったりして、無病息災を祈るのが一般的です。書き初めを燃やして、文字の上達や学業の成就を祈る地域もあります。どんど焼きの炎で、食べ物を炙って食べることもあります。枝の先に餅をつけて今では消防法のこともあって、大きな火を焚くことはできなくなっており、神社やお寺の境内など広い場所で特別に行われるようになりましたが、それでもかなり少なくなってきました。どんど焼きの炎を天空の満月の組み合わせに、神への感謝の気持ちもわくことでしょう。また現代でhほとんど見られなくなりましたが、粥占(かゆうら)という行事もありました。小豆粥を使い、その年の豊作を占う行事です。占い方はさまざまですが、煮えた粥の中に筒や棒などを入れて、付着した米の状態を見るのだそうです。小正月の朝に神様に小豆粥を供え、半月後に状態を見て吉凶を占う地域もありそうです。占いの結果が分かる日を粥開きといい、結果を見ようと多くの人が集まるそうです。神社などでの神事として行われることもあり、もう一般家庭では見られなくなりましたが、小豆粥を作って食べる風習は残っている地域もあります。小豆粥はお粥にゆでた小豆を入れ、塩で味を調えたものです。無病息災・家内安全・五穀豊穣などを願い、小正月の朝と夜に食べます。小正月に「ぜんざい」を食べる地域もあります。小豆粥と同じく、無病息災や家内安全を祈る意味があります。小豆の赤い色には魔よけの意味があるとされ、ぜんざいは漢字で「善哉」と書き、「よきかな」と読めることから、おめでたい席にふさわしいとされます。
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