モンテソリ法を知ってますか?



モンテソリあるいはモンテッソーリと聞いて、すぐわかる人は教育関係者の一部だけでしょう。モンテソリ教育法は知的障害児へ感覚教育法を施し知的水準を上げるという効果があったことで有名になりました。1907年保育施設「子どもの家」を設立し、貧困層の健常児を対象に、その独特な教育法を完成させたという歴史があります。その成功が知られるようになって、欧米を中心に世界各国に広がりました。特にアメリカではモンテッソーリ・ブームが起こり、アメリカ全土にその教育法が普及しました。そして、私立をはじめ数百の公立学校でもプログラムが導入され、3000か所のモンテッソーリ・子供の家があるといわれています。日本には1960年代に紹介され、モンテッソーリ・プログラムを導入する幼稚園やモンテッソーリ教育を専門に行う「子供の家」が創設されました。現在でもモンテソリ教育を実践している施設はたくさんあり、主としてカトリック系施設や私立の学校が中心になっています。完全には把握できていないようですが、日本モンテソリ教育綜合研究所からリストが公開されています。

https://sainou.or.jp/montessori/about-montessori/sitqf000000003rl-att/List_schools_20240112.pdf

同研究所によれば「「子どもには、自分を育てる力が備わっている」という「自己教育力」の存在がモンテッソーリ教育の前提となっています。歩くことを教えなくても、歩こうとしたり、積極的に環境に関わりながら様々な事柄を吸収していったりする姿は、子ども自身が自立に向かって、成長・発達していこうとする姿のあらわれといえます。この内在する力が存分に発揮できる環境と、自由が保障された中で、子どもは自発的に活動を繰り返しながら成長していきます。」という思想です。」「その基本的な考え方は「子どもには生来、自立・発達していこうとする力(自己教育力)があり、その力が発揮されるためには発達に見合った環境(物的環境・人的環境)」が必要である」というものです。大人がすべきことは、何かを直接子どもに教え込むことではありません。子どもの発達がどのような形ですすんでいくかを知り、子どもを観察し、環境を整えることです。」という思想は現在の日本の統一教育の対極にあるといえます。日本では「教え込む」ことにかなり注力しています。モンテソリ教育法は教師が大変です。一人ひとりの子供を観察し、見合った環境を提供することなので、先生が一方的に話して生徒はそれを黙って聞く、という日本の教室スタイルとはまったく異なります。とくに教科書が決まっていて、統一カリキュラムがある公教育では不可能な方法ですから、私立になるのは必然的といえます。ただ弱点として指摘されているのは、中等教育以後の方法が完全に確立されているとはいえず、初等教育に偏っている点です。そして独自の教材と教師養成をしているため、コストがかかる点です。しかし、個別教育にコストがかかるのは当然といえば当然のことであり、政策として考えれば、教育コストをどう考えるかという問題で、少子化に向かっているからこそ、個別教育の実現性もあるといえます。

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