学習の基本は反復


反復学習

1度見たり聞いたりしたことは忘れない、という人はまずいないと思います。もしあるとしたらよほどインパクトの強い経験です。勉強や学習において、強烈なインパクトがあることはまずないといってよいでしょう。どちらかというと、退屈でつまらないことを覚えなくてはならない、ことがほとんどだと思います。教える側はどうにかして、おもしろくしよう、とか、楽しくしよう、とか工夫するのですが、実際にはそれほどおもしろくおもなく楽しくないのが勉強です。勉強が好きな子は勉強そのものが好きなのではなく、勉強する内容が好きで、勉強することが苦でなく楽しいのです。こんな当たり前のことが意外と理解されていません。勉強の方法論の問題ではなく、内容の問題です。

勉強や学習は反復練習が必須であることは誰もがわかっています。しかしながら、なかなか継続できないのが実情です。それでも毎日しっかり継続できるのは、勉強や学習の動機であることもわかっています。何か知りたいこと、やりたいことがあると、そのための知識や技術の訓練が必要なことは誰でも知っており、それらの知識や技術はいっぺんに習得できるものではないことも誰もがわかっています。少しずつ繰り返していって、積み重ねていくことで習得できることもわかっています。その動機が強ければ強いほど、途中の過程である勉強や学習は多少苦であっても、むしろ少しずつ達成されていることが満足感を与え、喜びが先行するので、次の喜びを求めて勉強することや訓練が楽しみで待ち遠しくなってきます。

勉強が苦にならないために一番良い方法は量を減らすことです。目標のハードルが高いと苦痛が増えます。簡単に超えられるような低い壁が重要です。ちょっと物足らないくらいの量から始めることが継続の秘訣です。たとえば英単語を覚えなくてはならない時、一日に100個という目標は高すぎて、3日坊主どころか2日目でダウンします。10個までくらいが適当です。英語が苦手な人は1日1単語でもOKです。そのかわり、単語帳のように英語と日本語を1対1で覚えるのではなく、まず辞書を引いてみましょう。すると意味がたくさん書いてあります。大抵の人は最初の意味だけを見て覚えようとします。最初に書いてある意味は一番頻度が高いことが多いので、確率的には出てくる可能性が高いのですが、いつもそうとはかぎりません。むしろ重要な単語ほど英語と日本語は1対1では対応していません。そこで、辞書を引いて、一番おもしろそうな意味だけ覚えましょう。覚えるというより、興味をもつことが大切です。「なるほど、こんな意味があるのか」という興味が湧くと意外に記憶に残ります。「そんなことで試験に役立つの?」という疑問があると思います。そもそも「試験のため」という動機が英語学習としては間違っています。試験のために一夜漬けした記憶は試験の終わりと共に消え去ります。人間は不要な記憶は消してしまうのです。それを繰り返していては永久に英語はものになりません。一語一得です。

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