メーデー
メーデーは日本語でも音韻が似ていて覚えやすく言い易い表現ですが、英語のMay Dayも語呂がよい表現です。言い易く聞き取り易い、ということから、航空機が緊急事態に陥った時のパイロットの無線はmay-dayと叫ぶことになっています。SOSの方はモールス符号が基本だった時代に「・・・―――・・・」という発信しやすく聞き取り易い記号だっfたことによります。無線信号がモールス符号から音声信号に変わったことで、内容が変わった例です。
本題のメーデーですが、本来は「世界の労働者の祭典」となっています。その起源はヨーロッパの五月祭で、Mayfair という農業祭があったり、May queenと美人コンテストがあったりします。ちなみにジャガイモのメークインはここに由来します。メーデーがなぜ労働者の祭典となったかというと、19世紀は労働者と使用者の対立闘争が激しかったのですが、五月祭の時だけは休戦するという習慣が起源とされています。また1886年5月1日に合衆国カナダ職能労働組合連盟(後のアメリカ労働総同盟、AFL)が、シカゴを中心に8時間労働制要求(8-hour day movement)の統一ストライキを行ったのが起源(wikipedia)という説もあります。今では当たり前になった8時間労働も20世紀になるまで、なかなか浸透していなかったのです。それまでは12時間労働などの奴隷的な労働制度が欧米では当たり前だったのです。日本では戦後恐慌時の1920年5月2日日曜日に第1回のメーデーが上野公園で行われ、およそ1万人の労働者が「八時間労働制の実施」「失業の防止」「最低賃金法の制定」などを訴えたのが最初(同上)とされています。最初から5月1日ではなかったのですね。今年は4月27日土曜日に行われています。連休始め、ということなのでしょうか。メーデーは労働者の祭典なので連合が中心になります。連合が支援している立憲民主党や国民民主党などの野党党首が挨拶するのは当然なのですが、自民党総裁という立場の首相が挨拶するのは違和感があります。与党の支持母体は経団連などの使用者側ですし、いわば敵方なのですが、ニコニコと笑顔で挨拶するのは怪しげな感じがします。もっとも欧州のメーデーの起源を知っていて、労使の休戦として五月祭を祝うというなら別ですが、そういう文言はあったのでしょうか。
メーデーは労働組合員の参加が基本ですが、日本では労働組合の組織率が次第に下がってきています。サラリーマンが組合に入会しても普段は大したメリットがなく、倒産や解雇などの事態になって初めて活動することになりますから、景気のよい会社の労働組合は親睦会のようになりがちで、むしろ政党色を嫌う人も多いので、次第に組織率が下がるわけです。公務員の労働組合は比較的組織率が高く、その分、政党色が強くなります。労働組合は社内の労使闘争だけでなく、選挙などにも積極的に参加し、政権との対立構造の一翼を担うことになりがちです。米国では会社ごとではなく産業ごとに労組があり、自動車労連のように経営に干渉する団体もあります。
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