Route 66



この記事は6月6日に出すべきだと反省しています。
たまたま先日ルート66に関する番組を見たので、思いだしたことがあります。この有名なアメリカの国道を実際にドライブしたことがあります。今ではhistoric route 66という観光道路として、古い道路を復刻し、道路の両側に昔のストアやガソリンスタンド、モーテルなどを復刻しています。イメージとしては、中山道の残っていた旅籠を復刻して観光名所にした妻籠・馬篭に似ています。アメリカのRoute66は自動車の普及により、東部のニューヨークから西部のロスアンジェルスまでをつなぐ幹線道路であったことであり、それによる物語やテレビドラマが製作されたことが有名になったきっかけです。
日本に例えるなら、江戸から京都までの街道として東海道と中山道が作られ、東海道は、十返舎一九の東海道中膝栗毛や歌川広重の東海道五十三次の浮世絵で有名になったのと同じ現象です。東海道の宿場は徒歩で行くことを前提として、一日に歩く距離をベースに設定されています。宿場には旅籠や飯屋、そして女郎屋など、当時としては必須の観光施設の他に、宿場と宿場の間に茶店ができて、茶と団子などの名物を提供するようになり街ができていきました。
同じことはRoute66にもありドライブするためには宿泊のためのモーテルを中心とした町と、街道の途中のガソリンスタンドが茶店と同様に簡単な食事や飲み物を提供するようになりました。宿屋であるモーテルは部屋以外にプールがあったり、ラウンジがあってテレビがついていたり、というサービス競争になっています。モーテルの隣にはレストランがついており、それがデニーズであったり、ハワードジョンソンなどでした。また街道のガソリンスタンドには軽食つまりファストフードであるマクドナルドが隣接されていました。店の種類は多少増えましたが、今でも幹線道路である高速道路のインターチェンジにはガソリンスタンドとファストフードが隣接されています。
Route66は1980年代に廃止され、今はI-20がほぼ同じルートを走っています。Route66のような高速道路はhighwayと呼ばれていましたが、I-20のようなinterstate はfreewayと呼ばれています。すべて無料が原則であり、それがアメリカの交通と物流が発展した大きな理由の1つです。
日本の高速道路はほぼ有料であり、それが物流のコストアップにつながっている面は否定できません。「中央フリーウエイ」という歌が誤解されやすいのは、有料道路なのにフリーウエイとしたことにあります。アメリカではhighwayもfreewayも無料であり、原則すべての道路が無料なわけですが、たまにある有料道路はtoll roadと呼ばれています。それでも日本の高速道路ほど高くはありません。
アメリカのモータリゼーションではガソリンも日本の4分の1程度の値段ですし、車検に相当する検査費用も安いです。日本の場合、道路、ガソリン、車検など多くの費用が必要で、それらに税金がかけられていますから、政府は随分儲かっています。それが非関税障壁として日米通商交渉で槍玉にあがったのは当然といえます。Route66はそういう事情を教えてくれました。

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