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手話の雑学28新着!!

概念的な言語は別として、現実の社会での言語使用は、内容も程度もさまざまなままです。そして、その内容と程度も変化していきます。言語はつねに流動的で固定的ではありません。ある1つの状態をとらえて分析したり、長年の経過を歴史的に研究したり、と言語学にもそれぞれの分野があります。手話についても、同様な研究分野が手話学に存在します。専門的には共時的研究と通時的研究というのですが、これは相互に関わっています。・・・

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手話の雑学27新着!!

よく考えてみると、言語習得は学習の結果です。それは言語学習が環境によって、獲得結果つまり言語が変わることで証明できます。しかし、今でも、ネイティブつまり生まれついての母語話者を過剰に尊重する傾向がありますが、とくに日本はその傾向が強い文化があります。この背景には、20世紀の言語学者、アメリカのノーム・チョムスキーの言語観の影響があります。彼の言語理論については、専門書を読んでいただくとして、彼は「・・・

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手話の雑学26新着!!

近年の日本の人口減少に伴い聾者の人口も減少するので、手話講座の「受益者」が減り、手話通訳者も減少することが、「予算の効率化」という行政の宿命にも合致しているともいえます。聾教育も同じ運命にあり、減少化しています。このため「このままだと手話がなくなる」と不安視する人もでてきています。しかし、その論理は「手話は聾者のため」であり、手話通訳になることが手話学習の目的、と限定した行政の論理に従ったからです・・・

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手話の雑学25新着!!

日本に英語教師としてやってきた英米人の中に、「生徒にバカにされている」というストレスを抱える人が相当いるのです。英語教師をしていると、そういうストレスを溜め込んで自信喪失になった外国人英語教師の相談に乗ることがしばしばあります。とくに必死に、英語を教えねば、と思う真面目な人がそうなります。そこでアドバイスとして「簡単な日本語を使ってみれば?」と助言すると、しばらくして「生徒たちと仲良くなった」と笑・・・

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手話の雑学24新着!!

これまでの議論から、手話の進化の歴史を見てみると、手話の第1段階は、聾児のいる家庭内での手話、家庭手話で、これを専門用語でhome signsといいます。わざわざ英語で覚える必要はありません。次の第2段階が聾学校内で習得する学校手話school signsです。そして学校手話が同窓生集団により進化したのが、第3段階の地域手話regional signsです。そして、この段階では、手話通訳者との接触・・・

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手話の雑学23新着!!

手話は、日本語との接触が急激に増大し、日本語の影響を受けた手話語彙や文法が急増しました。それがいわゆる「日本語対応手話」であり、「日本英語」になぞらえるなら、「日本語手話」という言語変種を形成していることになります。よく似た表現ですが、「日本手話」ではないことに注意してください。この言語変種は手話の変種であって、日本語の変種ではないのですが、「日本語対応手話は日本語だ」という誤った認識の人もいます・・・

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手話の雑学22新着!!

手話教育を考える上で、日本の英語教育の例が参考になります。というのは英語教育が日本で一番影響力のある言語教育だからです。英語の音声教育でもヒアリングに重きがあって、スピーキングは重視されていません。つまり「受け身」が中心で「発信」に力点が置いていないのが伝統的かつ現状の英語教育です。これが言語間の力関係ということなので、日本語と手話の力関係は当然、日本語優位です。 日本人は英語をほぼ全員が学習しま・・・

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秋分 ─ 昼と夜が等しくなる日、その意味と文化新着!!

秋分(しゅうぶん)は、二十四節気の一つで、太陽が天の赤道を真東から昇り、真西に沈む日です。おおよそ毎年9月23日頃に訪れ、昼と夜の長さがほぼ等しくなることから、季節の大きな節目として古来より人々の暮らしに深く根ざしてきました。この日を境に、徐々に日が短くなり、本格的な秋が始まっていきます。天文学的には、秋分は「太陽黄経が180度に達する瞬間」を指します。春分と対をなすこの日は、北半球では昼と夜の長・・・

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手話の雑学21新着!!

学校教育を終えた子供たちは社会へと出ていきます。聾教育の場合、義務教育である中等部をでると、高等部へ進学するか、普通高校に進学するかの選択になります。さらに進学する場合は筑波科学技術大学か、一般の大学に進学するしか選択肢がありません。つまり上に行くにつれて選択の幅は狭まり、その分、一般社会つまり健聴者の社会に参加していくことになります。当然、そこに「言語の壁」があります。仮に「手話を完全に習得」し・・・

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手話の雑学20新着!!

聾学校が遠くにある場合、寄宿舎に入るか、父母による送迎しか選択の余地がありません。しかし寄宿舎の運営には費用がかかることもあり、生徒数が少なくなるにつれ、廃止が進んでいます。寄宿舎には同じような環境の子供が集まっているので、そこで子供同士のコミュニケーションが起こり、それが発達したのが手話だ、という「子供間伝承説」が一時期流行りましたが、その説だと寄宿舎以前には手話がなかったことになり、そして寄宿・・・

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手話の雑学19新着!!

家庭言語についても習得の段階で既に多くの変種が存在しますが、子供が社会との関りが増えてくると、新たな言語へと進化します。その環境変化の中で、一番大きな環境が教育です。日本だと保育園、幼稚園があって、義務教育機関への参加があります。ここで問題になるのが、それらの教育機関で使用される言語です。多くの場合、そこで使用される「教育言語」はその国の言語いわゆる「国語」が使用されます。 国語といっても、実は国・・・

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手話の雑学18新着!!

人間には言語を習得する能力が備わっている、ということは一般的には言えても、全部の人間が自然に「完全な」言語習得が行われるとはかぎりません。現実には障害があって、言語獲得がうまくできないこともあります。また、病気や事故などで、言語能力が低下することもあります。その場合の言語は「不完全」なものか、という疑問が湧いてきます。そう思う人はかなり多数です。その関係をイメージするには、「月の満ち欠け」を連想し・・・

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手話の雑学17新着!!

これまで見てきたように、手話の言語論についても、国や政治、文化、宗教的背景が異なっています。宗教についていえば、欧米では宗教行事に手話通訳がつくのは普通になっており、手話通訳者は教会が養成していますが、日本で宗教行事に手話通訳がつくことは滅多にありません。あの簡単な「なみあみだぶつ」や「なんみょうほうれんげきょう」ですら、指文字以外の手話訳が見られません。実際には特定の宗派にはあるのかもしれません・・・

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手話の雑学16新着!!

日本では宗教と言語の関係を議論することはほとんどありません。あるとしたら「ことだま(言霊)」に関することで、これは現在の日本では、非科学的と思われて、排除されている思想です。実は日本の仏教でも、仏の教えとことばの関係をとらえ、聞こえない人のことを瘖唖(いんあ)者と呼び、仏の教えがわからない人という扱いになっていました。また刑法でもつい最近まで、差別的な扱いを受けてきました。ただ、仏教の場合、仏教徒・・・

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手話の雑学15新着!!

手話にかぎらず、言語習得は、言語環境によって決まります。周囲が日本語だと子供は日本語を習得し、周囲が英語なら英語を習得します。この最初に習得する言語を母語mother tongueといいます。直訳すると「母の舌」ですが、英語ではtongueは言語の意味があります。日本では舌は身体部位の意味しかありません。焼肉では「タン」といい、牛タンは「牛の言語」の意味には絶対になりません。蛇足ですが、ハツ(心臓・・・

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手話の雑学14新着!!

「少数者の中の少数者」はどうしても自分の殻に閉じこもりやすいという思想の弱点があります。言い換えると「手話はろう者の言語」という命題は自らを閉じ込めていくリスクが大きいのです。聾者の中には、それを「情報が得られないから」と自己弁護する人もいますが、音声情報が入らないから、視点が狭くなる、ということではなく、いくら情報が目の前にあっても、自ら拒否して、自分の世界に閉じこもってしまうことで孤立化します・・・

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手話の雑学13新着!!

「手話は聾者の言語」という思想の根本は「手話という基準」で人間を分類しようという思想です。この思想の前提として、聴覚障害の有無、つまり「聞こえる」「聞こえない」の二項対立的概念で人間を分類します。この前提すら誤りであることは上記で指摘した通りですが、次に「聞こえない」人つまり聴覚障害者を聴力ではなく、手話の使用で分類しようという思想です。いいかえると手話使用者と非手話使用者で分類していくわけです。・・・

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手話の雑学12新着!!

一見バラバラに見える現象をまとめる方法の1つが「共通性」の発見です。すべてがバラバラという現象は稀有で、ほとんどの現象には共通性があります。この共通性を見つけ出し、そこから法則性を見出していく、ということが古典から今に続く基本的な科学の手法です。一見、バラバラに見えるものでも、共通性を見つけ出して、まとめることで「分類」ができるようになります。言い換えると、変種というのは、正確には「共通性をもった・・・

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手話の雑学11新着!!

幼児語や母親語を言語変種と考えるなら、それは一人の人間の中で、発達に応じて次々と変種が変わっていく、ということを示しています。こうした個人の変種の変化が総体となって、社会全体に及んでいくのが、社会変種です。ここでまず、個人変種と社会変種という区別があります。もちろん、個人変種と社会変種は無関係な独立した存在なのではなく、個人変種は生物としての発達、つまり言語機能である口腔の発達や手指の発達と脳の発・・・

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手話の雑学10新着!!

アメリカの英語とアメリカの実社会の関係を手話に置き換えると、手話に対する考え方の誤りがわかります。聾者の多くはテレビで見るような「上手な手話」を求めているわけではなく、「わかりやすい手話」を求めています。この「わかりやすい」という概念は実はなかなかむずかしいのです。なぜなら、人により「わかりやすさ」が異なるからです。子供にとってわかりやすい、老人にとってわかりやすい、高度なコミュニケーションにおい・・・

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