Philadelphia (フィラデルフィア)

フィラデルフィアというと、日本ではクリームチーズしか思い浮かばないのではないでしょうか。場所的にはニューヨークとワシントンの中間にあるため、観光に訪れる日本人は少ないせいかもしれません。実際は人口第6位の大都市で、1682年に人類史上初の信仰の自由が保障された街として築かれ、1776年に合衆国建国の父がこの地に集結し、全会一致で独立宣言を採決、そしてアメリカ誕生の地となったとして、アメリカ人にとっては「聖地」の1つになっています。「自由の鐘」という自由主義Libertyの象徴があり、観光地になっています。
日本語では自由にはlibertyとfreedomが同じ扱いで、日本人は区別している人が少ないです。「freedom」には「持って生まれた自由」という意味があり、「先天的・受動的」な自由を表します。それに対し「liberty」は、「自ら勝ち取った自由」という意味で、「後天的・能動的」な自由を表します。「自由人」は前者、「表現の自由」は後者です。「freedom」はただ単に「肉体的・精神的に制約を受けていない状態」を表しますが、「liberty」は「抑圧から解放されて初めて手に入る自由」を表します。政治は無論、リバティですから、自由党とはそういう意味です。Libertyの形容詞がliberalですが、現在の日本ではサヨク的という意味になっているのは残念なことです。同様にdemocracyが民主主義と訳されていることから、誤解が広がっているように思います。政治用語は誤解が多いです。
ところで、フィラデルフィアは全米第二規模のヘルスケア産業(グラクソ・スミスクラインなど)、世界有数のビデオ映像技術と通信サービス産業(コムキャストなど)の集積地として発展を続けていることもあまり知られていません。また、ペンシルベニア大学、カーティス音楽学校などもあり、学生数は市内に約12万人、都市圏全体では約30万人と全米最多です。日本からの留学生も大勢います。アメリカで最初の世界遺産都市(街まるごと世界遺産の対象)に登録されています。自由の鐘や独立記念館など国家誕生シンボルの建物、各宗教、宗派、民族のそれぞれがアメリカで初めて建設した数々の教会、合衆国最初の銀行、造幣局、公立病院、メディカルスクール、ビジネススクール、美術大学、電子計算機、ベンジャミン・フランクリンが凧を用いて電気を捉えた跡地の碑、フリーメーソンの総本山寺院、野口英世像など、膨大な数の国定記念建造物と史跡が市内に点在する町なので、歴史好きには興味がつきないのです。
もっともアメリカの歴史は今年でやっと250年の「若い国」です。日本の江戸時代より短い歴史なのです。世界の独立国の多くは第二次世界大戦後にできた国ですが、ほとんどはその前に植民地時代や王朝時代がありましたから、トータルは長いのです。中国も現在の国家はようやくまもなく80年。なので、あの大陸に興亡した国々を統合して4千年とか5千年と称しているのはプライドからでしょう。人間と同じく国家も若い方に勢いがあるのは自然です。独立によってリボーンした「新興国」は勢いがあります。フィラデルフィアに行くと、アメリカ人がいかに歴史を大切にしているかがわかります。
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