国際障害者デー
「障害者」と一括りにして対応することが当たり前になっていますが、多様化が叫ばれる今日、概念を変えるべきと思います。日本は昔、“めくら、おし、つんぼ、いざり、きちがい”などいろいろな語彙でいわゆる“かたわ”を区別して呼んでいました。ところが差別語としてマスコミが騒ぎ始めたのは1960年代のような記憶です。差別語とは何かという定義も曖昧なままですが、主に放送禁止用語が元になっているようです。その定義は「本人が不快に思う」ことが根拠のようですが、聴覚障害者に「つんぼ」と叫んでも本人には聞こえないので何も感じない、という皮肉があります。さらに問題なのは障害者と言い換えたり、「しょうがい者」と書き換えても、差別がなくなったかというと疑問が残ります。
1992年第47回国連総会はInternational Day of Persons with Disabilitiesを12月3日として制定しました。その10年前の1982年の同日「障害者に関する世界行動計画」が第37回国連総会で採択され、その目的は障害者問題への理解促進、障害者が人間らしい生活を送る権利とその補助の確保です。日本では以前、12月9日を「障害者の日」としていました。1975年に「障害者の権利宣言」が国連総会で採択された日を記念してです。障害者基本法は1970年に成立しています。日本は一般に考えられているより早くから障害者福祉には熱心でした。その後、2004年に国際障害者デーの12月3日から「障害者の日」の12月9日までの一週間を障害者週間として制定しています。
海外での障害者福祉は主として傷痍軍人向けで、日本も戦前から軍人の戦没者、傷痍者には特別な制度があり、戦後も残っていました。軍制度がなくなって、一般の障害者福祉へと引き継がれたので、海外に比べて早かったという事情があります。軍制度の残る海外諸国は基本的に戦前の日本と同じままで、障害者は軍人としては採用されないので差別的に扱われています。軍務が国民の義務である国々では、義務を果たしていないという理由で差別されています。
英語ではPersons with Disabilitiesという表現が広がっていて、定義は国によって異なるとしながらもa person with disability is someone who has a physical, mental or emotional condition that keeps her from living a social/functional life which is deem to be normal for their peers(障害のある人とは、身体的、精神的、または感情的に、仲間にとって正常であると見なされる社会的/機能的生活を送ることができない条件にある人)となっています。一括りにせず複数形で具体的に分類している点が注目です。
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