冬土用の入り



土用が春夏秋冬の4回あることはご紹介してきました。また二十四節気の変り目(節分)ということもご紹介してきました。今年の冬土用の入りは1月17日からの18日間で2月4日が立春となります。この間に大寒がやってきます。土公神(どくじん)が支配する期間なので、土いじりなどはよくないとされています。種まきなどは立春から始めます。種まきの前に畑は耕して下肥などを施すのですが、それも立春すぎてからの方がよさそうです。

冬土用の未(ひつじ)日には、「ひ」のつく食べ物や赤い食べ物が良いとされています。今年は1月25日です。夏の土用に鰻を食べるのは丑(うし)の日に「う」のつく黒い食べ物ということなのですが、実際には夏の鰻はやせていますから、冬の脂の乗ったものの方がおいしいのです。冬土用の未の日には「ひつまぶし」にして召し上がってはどうでしょうか。鰻のひつまぶしも「三杯に分けて…」という講釈が定番化していますが、それは特定の鰻屋のルールであり、量も少なくして最初から出汁をかけたり、とろろをかけて食べるのもお勧めです。また蒲焼ばかりでなく、近年は白焼きも比較的手に入るようになったので、白焼きのまま、出汁などをかけると風味が違います。鰻は当然開いてあるので、ヒラキという解釈もできます。

「ひ」のつく食べ物はかなり多いです。ひき肉、ひれ肉、ヒツジ肉などの肉類、ヒラメ、ヒラマサなどの魚、ヒジキ、ヒラタケ、ヒマワリ、ヒエなどがあります。季節が違うかもしれませんが、冷やし中華、冷や麦、冷ややっこ、などの料理や、日向夏のような果物もあります。姫りんご、ヒキワリ納豆など複合語ならかなりありそうです。行者にんにくの別名がヒトビロだそうです。またがんもどきの別名が飛龍頭(ひりょうず)。赤貝のヒモと胡瓜の細巻がヒモキュウ。3月になると出てくるひなあられや菱餅を早めに食べるのもOKかも。日本ではあまり食べませんが、ひよこ豆など。干物に広げたら、ほとんどの魚が入ります。中華料理だと翡翠煮、火鍋など。地方名物にはひもかわうどん、氷見うどん、ひねずし、ひっぱりうどんなどご当地うどんの他、引き菜もち、ひょっこり焼、ひこぜん、ヒージャーなど、あまり聞いたこともないものもあります。地名で広島とか姫路、飛騨などを冠したものは数知れないです。

「ひ」でなく「ビ」と濁音になりますが、ビビンパやびんちょう鮪、ビスケット、そしてビール。酒の名にひがつくものはたくさんあり、ここには書ききれません。それを冷酒にして飲めば完璧でしょう。

冬土用にはヒレカツにビール、もしくはヒラメの刺身に冷酒。お酒が呑めない方はトマトジュースやいちごジュース、アセロラドリンクでもOKです。

鰻
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