5・16軍事クーデター


クーデター

日本の5・15事件の翌日であるのは偶然ですが、1961年5月16日隣国大韓民国で軍事クーデターが起こり、朴正煕少将(第2野戦軍副司令官)などが政権を奪取しました。この朴正煕大統領の娘が朴槿恵大統領だったことはよく知られています。

クーデターが起こった社会的背景として、

1.自由党政権を引き継いだ民主党政権の政治的無策と党内抗争

2.民主的改革に対する民主党の曖昧な態度、経済状況悪化に対する国民の不安の高まり

3.北朝鮮に融和的又はシンパシーを抱いた学生や革新政党を中心とする民主化運動と「行こう!北へ!来たれ!南へ!会おう板門店で!」をスローガンとした統一運動の高まりに対して軍部が危機感を抱いたこと、そして直接的背景として軍内部の問題が挙げられる。

4.分断の固定化と朝鮮戦争によって肥大化した韓国軍では軍人事が停滞し、それによって進級が進まなかった下級将校に不満が蓄積されていた。

5.不正腐敗を働いた高級軍人を追放するため下級将校によって進められた「整軍運動」が失敗し、運動の首謀者が追放されそうになっていた。(Wikipedia)

この軍事革命の後、1963年民主共和党の朴正熙が大統領選挙に勝利し、総選挙でも共和党が勝利したことで、韓国は第三共和国時代に入りました。第一共和国時代は1948年から1960年までの李承晩大統領時代、第二共和国時代は1960年尹 潽善大統領時代をさしているそうです。そして第四共和国時代では朴正熙大統領による「北朝鮮による南侵の脅威」を理由とした「国家非常事態宣言」を布告を経て、1973年から1980年まで大統領や国会の勢力が変化しつつ続きました。1979年の新軍部による粛軍クーデターの後、1980年から第五共和国時代となり、1987年の盧泰愚、民正党総裁が大統領に就任し第六共和国時代に入りました。現在はその時代ということのようです。

韓国の場合、WWⅡ以降も軍はアメリカを背景とした軍が組織として力をもっていて、2度の軍事クーデターが起きています。軍事クーデターは政権の奪取であり、前政権のリーダーの襲撃を伴うので、どうしても、しこりが残りやすくなります。民主的な選挙による政権交代であっても、反発は残りますが、軍事クーデターほど強くはないといえます。現在も世界各地で軍事クーデターの結果、内戦になっている地域があります。外国は内政干渉になるので手が出しにくく、国際機関に頼るしかないようです。

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