寒露
寒露(かんろ)とは「草花に降りる露が冷気で凍りそうな季節」ということです。今年は10月8日が寒露です。今年は最近まで猛暑が続きましたが、急に涼しい日が続くようになり、秋が来た感じが強くなりました。寒露の頃は夜が長くなり、朝晩の冷え込みが感じられるようになります。空気が澄んだ秋晴れの過ごしやすい日が多くなります。夜空を見上げると、より美しくきれいに輝く月や星が見られます。二十四節気は3つの七十二候に分かれます。
初候:鴻雁来(こうがんきたる)は燕(つばめ)と入れ違いに雁が北から渡ってくる季節です。雁は日本で冬を過ごし、暖かい春になるとシベリアの方へ帰っていきます。毎年、初めに訪れる雁を「初雁(はつかり)」と呼び和歌や俳句の題材になっています。
次候:菊花開(きくのはなひらく)は菊の花が咲く頃ということを示します。各地で菊の展示や菊まつり、品評会が行われます。昔は菊人形という催しもあちこちにありました。この菊人形の姿から手話の「菊」という動作が作られています。菊には不老長寿の薬効があるとされ、旧暦9月9日の重陽の節句には、菊の花を酒に浮かべた菊花酒を飲む風習がありました。花札の菊に酒がその風習を残しています。今はもう菊にかこつけて酒を飲む人も少ないですが、菊が酒の名についている銘柄もあります。
末候:蟋蟀在戸(きりぎりすとにあり)は蟋蟀が戸口で鳴くようになります。蟋蟀は夏から冬にかけて見られますが、この頃の蟋蟀は鈴のような音色を響かせるツヅレサセコオロギだと言われています。ギーッチョンと機織りのように鳴く蟋蟀ではありませんが、虫の音を聞き分けるという風習も廃れつつあり、気にしなくてもいいかもしれません。
寒露の頃に出てくる食べ物は栗、柘榴、はたはた(魚)、青梗菜(ちんげんさい)です。今年は夏が暑かったので栗も小ぶりだそうですが、栗ご飯だけでなく、最近はモンブランが流行りのようです。青梗菜はスーパーでいつでも見られるので、意外かもしれませんが中国では昔から栽培されています。和名では「たいさい(体菜)」というそうです。最近は梨の中にこの時期にでてくるものも増えてきました。葡萄も品種が増えました。秋刀魚もでてきますし、秋の味覚が楽しめる時期でもあります。
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