閏日


閏年

2月29日は「肉の日」です。今年は「肉の日」が1日多いので、肉屋と焼肉屋が「潤う日」だから「うるう」ではありません。第一、「閏」と「潤う」では漢字が違います。閏は「門の中に王がいる」という意味で、昔の中国では閏日は普段、外にでる王が、この日は門の中に閉じこもって政務をとらない、つまり仕事をしない、という由来があるそうです。潤の方は今では水分ばかりを連想しますが、「財布の中が潤う」のように財貨が増えることも意味しており、それは閏の字源が、「門の中に財貨が溢れて家が潤う」という意味があるそうで、王ではなく元は玉だったとのことです。肉屋が潤うのは無関係ではなかったのですね。王と玉はよく混同されます。将棋の駒である王将も玉将と書かれることがあります。王将と玉将の違いには諸説あるみたいですが、今日では王将の駒を使うのが上位、下位が玉将というのが慣例だそうです。

閏日は地球の公転と暦とのずれを調整するためのものです。太陽暦では1年を365日としていますが、地球の公転は正確には365日5時間48分46秒なので、約4年で1日足らなくなる計算です。そこで4年ごとに2月 を29日として調節しています。これは地球の自転を1日とし、太陽を回る公転を1年とすることの差です。ついでに閏月については、月の運行の変化を1月として、それと太陽の運行である1年を基盤とする太陰暦では1年が30日の12倍の360日なので、毎年5.25日足りません。しかし実際の時間経過はそれほど単純ではなく、この月の満ち欠けと1日の関係も不規則で実際の平均朔望月は約29.530 589日であり、それによる12か月は約354.3671日となり、太陽暦の一年である約365.2422日とくらべて約11日短いので、この太陰暦をこのまま使い続けると暦と実際の季節が大幅にずれてしまうことになります。このずれは11×3 = 33日であり、つまり3年間で1か月分ほどになります。そこで太陰太陽暦ではこの太陰暦の12か月に約3年に一度、1か月を加え13か月とし、季節とのずれをなるべく少なくする調整をすることになります。この挿入された月を閏月といいます。閏月の挿入の仕方は、単純にどの月の後という方式ではなく、まず二十四節気の節気と中気を、立春は一月の節気、雨水は一月の中気とするなど、1年12か月それぞれの月に節気と中気を割り当てます。

月名 一月 二月 三月 四月 五月 六月 七月 八月 九月 十月 十一月 十二月
節気 立春 啓蟄 清明 立夏 芒種 小暑 立秋 白露 寒露 立冬 大雪 小寒
中気 雨水 春分 耕雨 小満 夏至 大暑 処暑 秋分 霜降 小雪 冬至 大寒

暦をそのまま使い続けると、各月の日付と二十四節気とは次第にずれが重なってきます。そのずれで中気が本来割り当てられた月のうちに含まれなくなったとき、その月を閏月とするのが規則です。この規則は普通の人にはわかりません。暦を買ってそれを頼りにすることになります。

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