Thank you.


thank you

3月9日は語呂合わせがしやすいせいか、サンキュー、サンクス、ありがとう、などをテーマとした記念日が目白押しです。筆者としては、このコラムを読んでくださる読者諸賢に感謝申し上げます。

英語のThank you.は誰もが知っていますが、日本人には発音しにくいthとaeがあって、日本英語として訛って発音するのが普通です。英米人にはsunkyuあるいはsunk youと聞こえるので、sinkは「沈める」という意味であり、その過去分詞sunkの意味を考えると「沈められたあなた」(直訳)となります。まあ外国人が訛るのは普通のことなので気にしていないと思います。何よりも抑揚は合っているのと、似た音なので理解は容易です。日本人の中には英語に似せようとして「センキュー」という人もいますが、たいした違いはないです。あるいはアメリカ人がよく使うThanks.を真似て「サンクス」という人もいますが、雰囲気と状況からわかるものの、発音はかえって遠ざかっていることを知りません。子音と母音が違っているのは同じですが、kとsにそれぞれウを追加してku,suとしています。日本人は子音だけを発音することが苦手なので常に母音を追加してしまいます。イントネーションの構成要素の1つであるリズムは音節、つまり母音によって作られるので、英語のThanksは母音が1つで母音の前にth、母音の後にnksと3つの子音が続く「単音節」の語です。しかし日本語のsankusuは4音節になり、日本語のリズムとして2モーラ(音節)づつの連続というリズム感覚で話すので、サンで1拍、クスで1拍の2拍になります。サンキューも同じ2拍なので、リズム的には縮まっておらず、余分な母音のせいでかえって長くなってしまっています。英語は2拍から1拍へと短くして俗語化しているのですが、日本英語では意識はともかく、実際は意味がないわけです。

英会話としてみると、日本人は「ありがとう」の時、お辞儀が付随します。お辞儀はジェスチャーであり、文化的なものですが、無意識に行動するものです。しかもジェスチャーは生理的に発音と同時に行わざるを得ないため、サンキューといいつつ、ついお辞儀をしてしまいます。英米人から見ると、発音の違いよりもジェスチャーの違いには反応します。日本人のお辞儀は頻繁に起こり、挨拶のたびにお辞儀します。しないのは「さようなら」の時くらいですが、お辞儀してはいけないわけではありません。この文化的行動を見慣れてきた英米人は日本語学習の時にお辞儀をするという行動も一緒に学習しなければなりません。アメリカ人の多くはThank you.の時に握手する人がかなりいますが、それよりはsmileが重要です。日本人のお辞儀にほぼ相当するのがsmileですから、英会話学習の時にはぜひ挨拶と共にsmileする習慣を学びましょう。Thank you. (Smile)

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