Good Saturday
2022年4月16日はGood Saturdayです。聖土曜日と訳されていますが、この日を知っているのはキリスト教徒かキリスト教文化についての相当の知識がある方です。日本風に解釈するとイエス・キリストが亡くなったので通夜の日みたいなものです。翌日の復活を信じつつも、イエスの死の意味を深く考えます。カトリック教会では聖土曜日に教会は主の墓のもとにとどまって、その受難と死をしのび、祭壇の飾りを取り除き、ミサも捧げません。普段かけられている祭壇布などがすべて取り払われ、イエスが眠りについていることを表します。聖体拝領やゆるしの秘跡さえ、瀕死の者など特別な場合を除きこの日にはしません。結婚式も葬儀も行われないません。一切の宗教行事を控え、只管に偲ぶのです。
一方でギリシアやロシアなどの正教会では聖大土曜日も聖大金曜日(聖金曜日)と同じくイエスの死への勝利を誉め、祝い、復活の喜びを先取りする祝いの日と考えられています。イエスの棺(眠りの聖像)が聖堂におかれ、聖母マリアの嘆きの聖歌「母よ、我、爾(なんじ)が種無くして孕みし子の」が歌われ、十字架を崇敬し、黄泉(よみ)と死が生命をもたらすキリストの神性に触れて敗れる神秘が讃美されるのです。正教会において、聖大土曜日は古くは成人洗礼の日だったといわれています。
形式は正反対ですが、意義は同じで解釈が異なっています。そもそもキリスト教の原型ともいえるユダヤ教では土曜日が安息日であり、キリスト教の中にも土曜日を安息日とする宗派もあります。
復活祭の1週間前の日曜日はPalm Sunday(宗派によって名称が異なるが聖枝祭)という「エルサレム入城の日」で、ヨハネの福音書に「この日は聖地エルサレムを囲む城壁にいくつかある門に達して、弟子たちが近くで調達した小ロバに乗って、弟子たちを含む大勢が服を脱いで地面に敷き、あるいは植物の枝を敷いた地面を踏んで、城内へ入城した。」にちなんで棕櫚(しゅろ)あるいは木の枝を持って迎えるという行事があります。これが受難の始まり、ということです。そして聖金曜日まで毎日が聖なる日として行事があります。クリスマスも早くから行事がありますが、それよりもさらに宗教的意味が深い日々が続くので、いかに重要な日々であるか、復活とは何かを教義として重要視していることがわかります。
聖土曜日とはまったく関係がないのですが、1877年のこの日Boys,be umbicius.で有名なクラーク博士が北海道から去りました。日本では有名な人ですが、米国では知られておらず、帰国後は不遇だったようです。彼は明治のお雇い外国人の一人で当時は蝦夷地と呼ばれた辺境の地になぜ来たのか疑わしいところです。前年9月に来日、翌年4月には離日しており、在籍していたマサチューセッツ農科大学から短期休暇でやってきたにすぎません。この言葉もかなり美化された解釈をされていますが、unbiciusは野心的ということですから訳すなら「君たち、もっと野心的になりなさい」ということです。俗っぽく訳せば「おまえら、うだうだ言ってんじゃねえよ」というところでしょう。彼は学識のある人ですから、そんな表現はしなかったでしょうが、くだけた英語であることは間違いないです。それにしても短期間で北海道の農業に貢献したことは確かなので今でも尊敬を集めています。「札幌農学校」というクッキーはおいしくて評判がいいです。真似してクッキーを販売した国立大学もあります。
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