建国記念日
2月11日は日本の建国記念日です。多くの国では独立記念日として祝っています。建国と独立では意味が微妙に違います。独立という場合は、それまでどこかの支配下にあったという意味です。たとえばアメリカには独立記念日がありますが、イギリスの植民地であったのが、独立戦争によって勝ち取ったことを記念しています。フランスの場合は独立記念日とはいいません。それは市民革命によって王政を倒して国を作ったという意味なので、フランス革命記念日ということになります。普通はパリ祭と呼ばれています。イギリスは建国記念日も独立記念日もありません。これは現在のイギリスの正式名称が「大ブリテンおよび北アイルランド連合王国」という長い名前と関係があります。ブリテン島はイングランドの他に、スコットランドとウエールズに分かれ、それにアイルランドの一部が領土となっていますが、かつて内戦が続き、1707年の合同法によって、ようやくまとまったという経緯があるからです。イギリスではイングランドの時代にEnglishをエゲレスと表記したのがイギリスに変わったままの呼称になっていて、イギリス人にイギリスというと通じません。
そのイギリス支配下にあった大英帝国から独立したオーストラリア、カナダなどは、独立記念日とはいわず「オーストラリアの日」「カナダの日」という名称で呼んでいます。しかしオーストラリアの場合は初めて白人が上陸した日を記念しているのに対して、カナダはイギリスから自治権を勝ち取った日を記念しています。
ソビエト連邦の崩壊によって独立した国はたくさんあります。中国は1949年の毛沢東による新中国建国宣言の日を国慶節としています。大韓民国は1945年に日本がポツダム宣言を受諾した日を光復節としています。朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)は1948年建国が宣布されたのをもって共和国創建記念日としていて、朝鮮半島は北と南では建国の時期が異なります。なんとなく同時に分離したような感じがしている人が多いと思いますが、事実は違います。
タイ王国は昔から国があるような印象がありますが、1932年絶対王政から立憲政治に移行した日をもってタイ民主革命の記念日となっています。フランスと似ているといえば似ています。
世界のほとんどの国は20世紀になってから独立した国が多く、第二次世界大戦後に独立した国も多いです。南米諸国は19世紀にスペインから独立しています。
日本は第二次世界大戦後、占領時代があるので、サンフランシスコ条約によって主権を回復したことをもって独立したといえばそういえなくもないのですが、そう考えている人は稀有です。建国記念日に世界史を勉強してみてはいかがでしょうか。
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