天皇誕生日


天皇誕生日

天皇陛下お誕生日おめでとうございます。

お誕生日は誰にとってもおめでたい日です。まずは素直に国民としてお祝いするのが正しいことだと思います。

天皇をどう考えるかは人により違うことは当たり前のことです。憲法を持ち出して議論する人、制度として議論する人、尊崇を示す人、いろいろな人がいるのが自然な社会であり、天皇にかぎらず、あらゆることに対していろいろな考えをもつ人がいるのが当たり前のことです。わざわざ多様性を論じる必要はなく、多様性というのはもともと存在しているものです。それを無理やり政治的に統一しようとしたり、思想として押し付けようとする方が不自然であり、無理なことです。そしてそれは不可能なことでもあります。

今上陛下はお一人ですが、代々の天皇は大勢いらっしゃいました。何代続いたのかという議論はいろいろあり、専門家の議論も一致せず、とりあえずの定説が学校教育では教えられ、国民の多くはそれを信じています。日本の教育は統一が絶対と考える人が多数を占めているので、教育内容が異なる場合、現場が混乱する、として反対する人が多いです。しかし絶対的真理ということはそれほど多くなく、科学的知識も歴史的知識も時代とともに変化します。本コラムでも紹介した冥王星の話や鎌倉幕府の成立など、世代によって「常識」が違っています。

天皇の歴史については欠史八代と呼ばれる学説があり、第二代綏靖天皇から第九代開化天皇までの8代の天皇を指す歴史学用語となっています。古事記や日本書紀にその系譜が記されている初期の天皇の系譜は、その多くが後世の創作によるものと見られているのが定説とされています。つまり歴史学は文献にないものは創作として排除するという思想です。しかし考古学は発掘物など現物の分析から歴史を推定します。科学的に考えるとどちらも「推定」であり、仮説にすぎません。それで何か新資料が出たり、建設現場から発掘物がでるたびに推定仮説が変わるわけです。どの説を信じるかは自由であり、諸説が存在するのが多様性です。語源などを調べていると、諸説あるのが当たり前で、実際は1つの説ではなく、複数の説の混淆だと考えることもできます。言語変化は1つの現象で変わることは少なく、いろいろな要因であることの方がむしろ自然です。素人はいろいろな説を楽しむのがよいと思っています。

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