サンドイッチ


サンドイッチ

3月13日はサンドイッチの日だそうです。どういう語呂合わせかと思ったら、3と3の間に1(イッチ)が挟まっている、というなんとも手の込んだネーミングでした。

サンドイッチマンといえば今や有名漫才師ですが、昔、大きな看板を身体の前後に首からぶらさげて街中を歩く宣伝の仕事がありました。元は日本英語ではなくsandwich manというレッキとした英語です。19世紀後半からある広告手法で、明治時代に日本に入ってきたのですが、流行ったのは戦後です。日本ではほぼ見なくなりましたが、ヨーロッパでは今でも時々見かけます。そもそも街中には広告塔というものがあり、ビルの屋上や繁華街の広場に見られますが、景観を損ねるということで規制があることと費用が高いため、人間広告塔として考案されたのがサンドイッチマンです。「街のサンドイッチマン」という歌もあり、生活に困窮した人の生活手段でもありました。またチンドン屋という広告方法もあり、現在も芸能として残っていてコンクールなどもあるそうです。

サンドイッチの語源としてサンドイッチ伯爵が知られていますが、このサンドイッチは人名でなくイギリスの地名です。サンドイッチ地方を治めていたジョン・モンタギューが人名です。この人物が「国務大臣は公衆の賭博台で24時間を過ごし、終始ゲームに夢中になっていたので、二枚の焼いたパンにはさんだ少しの牛肉を食べる他に生きてはおられず、ゲームを続けながらこれを食べる。この新しい食べものは、私のロンドン滞在中に大流行した。発明した大臣の名前で呼ばれた」というゴシップ記事のため俗説として広がったものです。しかし「「1765年当時のモンタギューは要職にあって多忙を極めていたために、徹夜の賭博に割くような時間は無い」という人もいて、どうやら濡れ衣のようです。彼自身が発明したわけでもなく、愛好していた証拠もないそうです。それにこの説だとトーストに挟むのが本来ということになります。

日本では焼かない食パンに挟むのが普通で、焼いたパンの場合をあえて「トーストサンド」と呼んでいます。そして今や挟む具も日本的に進化し、ジャムやクリームだけでなくフルーツ、とんかつなど何でもあり、の状態です。最近、ハンバーガーの一部をサンドと呼ぶ傾向ですが、アメリカではパンに挟めば何でもサンドイッチなので、ハンバーガーがそもそもサンドイッチの一種類です。日本はバンズないし食パン以外のパンに挟んだものをハンバーガーと考えているのですが、それは日本の定義です。形が似ていれば何でもOKなので、ライスバーガー、アイスバーガーという命名もあります。一方、アメリカではサブマリンという長いパンに挟んだものもサンドイッチとされています。挟まないオープンサンドというのもあり、もうわけがわかりません。

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