人工知能
最近はやたらとAIが宣伝に使われます。AIはartificial intelligenceつまり人工知能の省略形です。ひと昔前にやたらとコンピュータという言葉が宣伝に使われたのとまったく同じ現象です。実はコンピュータも人工知能の一種です。コンピュータはcomputerつまり計算機であり、電子計算機という訳語が使われ、略称が電算でした。当時、似たようなものに電卓という者があり、これは電子卓上計算機のことです。こちらは英語ではcalculatorといい、同じく計算機という意味です。実は「計算する」という日本語に対応する英語はcalculate, compute, countといろいろあるのです。「会計」だとaccoutになったり、「計算高い」は文章表現としてHe sees everything in terms of money.のように表現します。「計算する」という行為は古くからあり、それだけ表現も多いのです。日本語でも勘定する、計算する、数を求める、数取りする、値を求める、勘定に入れる、計算値を求める、ソロバンをはじく、はじき出す、算出する、算定する。割り出す、演算する、など語彙が豊富です。こういう人間の頭脳の行為を模倣したのが計算機ですから、計算機も人工知能といえるのです。計算機という機械は人間の計算能力をはるかに超えた能力をもっています。これは当たり前のことで、人間の力を超えた力を持つのが機械であり道具です。だから便利なのです。
今はやりのAIは人間の学習能力を模倣することから始まり、人間の能力を超えた学習能力をもっているとされています。技術的には神経網を模倣したニューラルネットワークとディープラーニング(深層学習)という情報処理過程を組み合わせています。
これにより人間の思考過程を模倣し人間の能力を超えた、という判断もありますが、まだ思考能力を超えたといえるかどうか疑問をもつ人がいます。一方で、インターネットワーク技術とコンピュータの記憶能力を組み合わせた巨大な知識(intelligence)があり、学習装置と記憶装置を組み合わせたものが最近話題のGPTはGenerative Pre-trained Transformer (生成型事前訓練式変形装置)のことで、対話により回答が出されるbotの一種です。Botはrobotを語源としていて、事前に設定されたプログラムを自動的に行う装置のことです。Chatというのはおしゃべりのことで対話の意味で使われています。Chatbot は対話ボットということなので、人間の対話とは異なり、予め準備された方法で回答をする装置です。それでトンチンカンな答えもでてきたりします。その延長にあるchatGPTも同じなのですが、人間が期待する答えと全く異なる答がでてくるので、おもしろく遊べるわけです。ただ自動的に学習するので、トンチンカン具合がだんだん少なくなってくる可能性は高いです。模倣がだんだん本物に近づいてくるわけです。そして本物を超える可能性もあります。それが機械です。
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