古材と古民家
5月31日は語呂合わせで「古材」の日だそうです。ちなみに前日の5月30日は「古民家の日」だそうです。どういう語呂合わせかというと、古民家の家を「おうち」とよんで0をオと読むからだそうです。かなり苦しいですね。
古材はリサイクルというより、付加価値が高い資源です。木材は切ったばかりの新材は水分が多く、腐ったり、たわんだりしやすいので、乾燥してから使うのがほとんどです。とくに家具や楽器など精密さを要する材料では十年以上、乾燥させることも珍しくないです。その点、古材は乾燥が進んでいて、そのまま利用できる利点があります。神社や寺院の修理には欠かせない材料です。とくに表面が煤で覆われていると腐敗に対する予防効果があり、焼き杉のように表面を焼いて炭化させることもあります。古民家の中にはそのまま解体されて廃棄されるものもありますが、多くは古材として再利用されるようになり、解体の手間もかかることもあって、普通の材木よりも高価で取引されることもあります。とくに古民家の場合、梁や大黒柱など、今では入手が困難な1本の太い物や長い物があり、貴重品となっています。また床の間の銘木は今では床の間そのものをあまり作らなくなったので、これも貴重品になりつつあります。現在は、和風建築は減り、洋風やプレハブの新築が普及していますが、これらには新建材と称するプラスチックが多く使われるため、時間が経つと経年劣化が進むだけで、再利用はできなくなります。その結果、産業廃棄物としてゴミになります。その処理は産廃業者任せで、処理料金も比較的安いものです。社会全体としてみれば、再利用できない新建材にはPL責任として処理料金を負荷し、古材のような再利用可能な資源に補助金を出すなどの政策があってよいはずですが、そうすると住宅建築費が値上がりするため、産業界からの反対も大きく、実現しません。
今、環境税のような森林保護という考えもあるようですが、新建材は石油資源と森林伐採からできているので、古材再利用を推進することが一番森林保護につながると思われます。個人の家庭の庭木なども再利用により燃料とすることは可能になってきています。ゴミ収集の分別で、木や木製品を別にしている地域は非常に少ないと思います。燃えるゴミにしていると思います。紙類は分別しているのですから、木類も分別するのがよいのではないでしょうか。分別が多すぎると面倒になる、という意見もわかりますが、昔のチリ紙交換のように資源として購入するルートがあれば、民間業者も出てきて、家庭も分別します。実際、缶や瓶は分別しています。地域によってはスーパーの入り口にペットボトルの収集箱があり、ポイントに交換してくれるので、きちんと分別しています。まず木材が資源であることを普及させることが必要です。
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